皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害テレビ」についてです。

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青木
テレビとの付き合い方は賛否両論あるので、定型発達のお子さんでも悩むところですね。
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大竹
良い面があるのなら、効果的に取り入れたいですね。

今回はテレビ視聴で得られるメリット・デメリットも踏まえたうえで、テレビと有意義に付き合う方法についてお話します。

語彙力が増える?!「対話的共有視聴」の方法

対話的共有視聴とは

子どもにテレビを効果的に見せるための研究の中で、「対話的共有視聴」が注目されているようです。

対話的共感視聴とは

子どもとテレビを一緒に見て、それを会話の道具として活用する手法。絵本の読み聞かせなどと同様に、幼児の語彙量を増やす効果があるとされている。

お茶の水女子大学の菅原ますみ教授によると、お子さんと一緒にテレビを見る大人が、お子さんに質問などすることで、内容の理解や言葉の獲得を促す可能性があるとのことです。

【学術的な裏付けなどについて】(菅原ますみ委員)

(前略)「テレビは子どもにとってよくないもの」とすることは、よいコンテンツにアクセスする機会を子どもから奪うことになり、子どもにとっても不利益なのではないか、またニューメディアに対するスキルトレーニングからも遠ざけられることにつながるのではないか、と個人的には危惧している。

(中略)

まず、子どもに見せるコンテンツは年齢にふさわしい教育的で良質なコンテンツであることが重要だということ。また、テレビの視聴時間が就学前の発達に及ぼす大きな負の影響性は今のところ認められていないということ。一緒に視聴する大人が、オープンエンドな質問をするなど共有視聴することで、子どもの内容理解や語彙獲得を促す効果を得られる可能性があることも分かっている。(後略)

引用:青少年委員会 意見交換会 2017年6月30日(放送理論・番組向上機構)

対話的共有視聴の方法

ただ漫然とテレビを見せたら良いという訳ではなく、どのように用いるかが大切です。

絵本は集中して読むことで、お子さんに強い影響力を与えます。
また「なんでかな?」など質問することで、お子さんの考える力を育てます。

テレビは絵本のように自分で読んだりページをめくらなくても、時間の経過とともに次々と映像と音が流れるため、絵本よりも受動的と言えます。

お子さんはのまだ知識や経験が不足しているため、大人と同じ情報を与えられても、そこから同じように学べるとは限りません。

そのため、大人がお子さんと一緒にテレビを見て、言葉や思考を促す声掛けが必要なのです。

質問形式で対話すると、よりたくさんの言葉を覚えたり、話の理解が進むようです。

  • ○○ちゃんは、どんな気持ちかな?
  • なんで泣いたのかな?何が悲しかったのかな?
  • どこにあるのかな?
  • なんでこうなったのかな?
  • これからどうなると思う?

など

しかし、親御さんがずっと付き添うことは難しいと思います。

あとから「どんなお話だったの?」と、お子さんの考えや感想を引き出す機会を作りましょう。
一緒に見る時間を作りたい場合は、録画も利用しましょう。

発達障害の「テレビとの付き合い方」のポイント

ここまでは「対話的共有視聴」に絞ってお話しました。

ここからは、その他のポイントや発達障害の特性にも考慮した「テレビとの付き合い方」についてお話します。

発達障害とは

発達障害とは、脳機能の発達がアンバランスで、その凸凹によって社会生活に困難が生じる障害の総称。行動や認知の特性により、主に自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3つに分類される。
これら3つの特性を単独ではなく、複数持っている人も少なくない。

発達障害のお子さんは、テレビやゲームに集中し過ぎて、他の活動に上手く切り替えられないこともあるようです。

一定のルールを作り、視聴時間を調整するように注意しましょう。

お子さんが主体となりルールを決める

長時間テレビを見ていると、その他の活動をする時間が制限されてしまいます。
バランスよく様々な活動ができるように、一定のルールの枠組みを作りましょう。

その際、親御さんがルールを決定してしまうのではなく、お子さんの意見も聞いたり、お子さん自身が「テレビとの付き合い方」を振り返ったり、考えたりできるよう支援しましょう

視聴時間と番組を決める

好きな時に自由にテレビを見ているお子さんにとっては、急に「見る時間を減らしなさい!」と言われても抵抗があるのではないでしょうか?

まずは1日の中で、「どのような時に、どのような見方をしているのか」振り返ってみましょう。

  • 帰ったらまずテレビを付ける
  • 暇なので、何となく見ている
  • 宿題など他のことをしていても、テレビは付けたまま

意外と本当に見たい番組は少なく、「暇だから見ている」「何となくテレビを付けている」ということも多いのではないでしょうか。

まずは見たい番組を書き出し、勉強や外遊びなど他の時間も充分取れているか確認しましょう。

スケジュール全体を見直して他の活動も促す

発達障害のお子さんは、曖昧な表現や見通しの立たないことは苦手です。

そのため、「テレビを見る時間を減らしなさい」と言われても「何時間なら良いのか、代わりに何をしたら良いのか」分からないことがあります。

お子さんと視聴時間や番組を決めたら、代わりに何をするのか全体のスケジュールも考えましょう。

1週間単位でテレビを見る時間を調整する

見たい番組を書き出してみると、曜日によって見たい番組がたくさんあったり、1つもなかったり、偏りがあるのではないでしょうか。

そのような場合は、1週間単位でテレビを見る時間を調整しましょう。

  • 見たい番組が多い時は、録画して他の曜日に見る
  • 雨の日は貯めていたビデオを見る
  • 視聴時間が長い日があれば、他の日に外で遊ぶ時間を増やす

自分で見たい番組や時間を決め、それを日によって調整するのは、自己管理や自立の練習にも繋がります。

親御さんも一緒に「テレビとの付き合い方」を見直す

親御さんは、普段どのようにテレビを見ているでしょうか?
お子さんはその様子を見て、真似ることがあります。

お子さんに助言するとともに、普段のテレビとの付き合い方を見直してみましょう。

  • テレビに近づき過ぎている
  • 間食しながら寝転がって見ている
  • 帰宅したら、とりあえずテレビを付ける
  • 就寝や外出する直前までテレビを付けている
  • 時計代わりに常時テレビを付けている

お子さんの発達に良い影響を与える番組を選ぶ

お子さんの好みや発達段階に合わせて、言葉の発達や社会性が身に着くテレビ番組を選びましょう

  • お子さんが理解できる言葉を使っている
  • 仲間と協力したり助け合うことを学べる
  • 嬉しい、悲しいなど、感情表現の仕方を学べる
  • 挨拶や社会のルールなど、社会的スキルを学べる
  • 自然や動物、科学、海外など、普段は身近に接することができない世界を知る
  • ヒーローものなど、正義感が学べる
  • 歴史の登場人物に感情移入して、興味を持って歴史が学べる
  • ニュースなどで時事問題に興味を持つ
  • スポーツなど

長時間の番組は途中で区切る

だらだらと長時間見ていては、せっかく良い番組を選定しても、あまり良い効果は望めません。

録画も利用し、30分で区切って一旦会話する機会を作るなど、メリハリを付けましょう。

その会話の中で「対話的共有視聴」の方法も使い、お子さんの言葉や思考を引き出す質問をしましょう

感覚過敏への対応

発達障害のお子さんは、感覚の受け取り方にも凸凹が見らることがあります。感覚を敏感に受け取ってしまうことを「感覚過敏」と言います。

発達障害では視覚や聴覚に過敏性を持っているお子さんも多く、テレビの音や光・色彩などを不快に感じることがあります。

また本人に自覚が無くても、テレビの音や色彩、光などがストレスとなり、不眠などの影響が出ることもあります。過敏性があるお子さんは、特に強い刺激に注意しましょう。

本人の意思でテレビを見ないのであれば無理に見せる必要はありませんが、「見たいけど見れない」という状態であれば、対処法を考えましょう。

聴覚過敏への対応

  • 音量をミュートにして字幕で見ることから始める
  • 少しずつ音量を上げ、本人が不快に感じない音量を探る
  • 激しいアクション映画などを避け、刺激が少ないものから視聴する

視覚過敏への対応

  • テレビの画面設定で、明るさや色彩を落とす
  • 暗い部屋ではテレビの光を強く感じるので、適度な明るさで見る
  • テレビに近づきすぎない
  • 色彩や光の刺激が少ないものから視聴する

子どもの「テレビ視聴」のメリット・デメリット

お子さんのテレビ視聴に関しては、ご家庭によっても意見が分かれることが多いと思います。

子どものテレビ視聴については、国内外ともに「テレビ番組の内容」と「視聴時間」という2つの観点から様々な研究が行われています。しかし、肯定的な意見と否定的な意見が混在しており、はっきりとした結論は出ていないようです。

ここでは参考になりそうな情報を挙げてみました。
テレビとの有意義な付き合い方を考える参考になれば幸いです。

子どものテレビ視聴を懸念する意見

テレビ視聴について否定的な意見の多くは、テレビを見ることで他の活動時間が減ること、家族の会話が減ることを懸念するものが多いようです。

視聴する年齢について

2歳までは、テレビ等の視聴を控えるように注意する報告が多いようです。

幼いころは、親御さんや周りの人と、表情など言葉以外の方法も使ってコミュニケーションを学習します。

お子さんが笑ったり触ったりすることで、周りの人がどう反応するか?
テレビとは違う、相互のやり取りも学びます。

2歳時点での一般向け番組の視聴量が多いと、その後の言葉の発達が遅れるという研究結果があるようです。

5つの提言

1.2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。

2.授乳中、食事中のテレビ・ビデオ視聴はやめましょう。

3.すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日2時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日30分までを目安と考えます。

4.子どお部屋にはテレビ・ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしましょう。

5.保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールを作りましょう。

引用:5つの提言(公益社団法人 日本小児科医)

視聴時間について

日本小児科学会では、子どもテレビ視聴時間は「1日2時間以内が目安」ということです。多少の増加は許容されているようです。

テレビだけでなく、「スマートフォンなどメディアを使う時間の合計で2時間」ということです。

~総接触時間「2時間以内(目安)」について~ 子どもとメディア委員会より

一日は24時間です。子どもの生活時間の中で、睡眠時間、食事の時間、園や学校で過ごす時間、友達をおしゃべりや遊ぶ時間などをひくと2時間が限度であろうというのが提言の根拠になっています。

(中略)

子どもの年齢がいくつなのか、どのような生活をしているのか、そのときの社会状況(オリンピックの中継やサッカーの世界大会など行われていれば2時間以内は守れないかも知れませんがそれはそれでいいのです)基本的に「2時間以内」を「目安」として 生活の中に取り入れて欲しいと思います。

引用:こどもとスマホ(公益社団法人 日本小児科医)

前述したように、2歳までのテレビ視聴時間が長いと言葉の発達が遅れるという研究結果がありますが、外遊びや絵本の読み聞かせをすると、その相関が減少する。外遊び等の頻度の方が重要との報告もあります。(参考:乳児期の心身の発達とメディア接触 お茶の水女子大学 菅原 ますみ 教授

「テレビを見ること=言葉の発達が遅れる」ではなく、テレビを見ることで他の活動をする時間が減ること。

それにより、友達との外遊びやご家族との会話の時間が減ることが問題のようです。

子どものテレビ視聴を肯定する意見

肯定的な意見では、前述した対話的共有視聴のように「どのように見るか、内容についてどう話すか」に注目したものが多いようです。

  • どのような環境でテレビを見ているか?
  • どのような内容のテレビを見ているか?
  • 周りの大人がその子供にどのように関わっていたか?

テレビの内容によっては、様々な言葉や社会的スキルが身に着いたという声もあるようです。

  • 言葉を覚えた
  • テレビの真似をして、仲間と助け合うになった
  • 挨拶など社会的スキルが身に着いた
  • 「嬉しい」などの言葉で感情を表現できるようになった

下記のツイートのように、好きなキャラクターの真似をして好ましい行動ができたり、時事問題にも関心が出たという話もあります。

単にテレビを見せたら良いという訳ではなく、前述したように親御さんがお子さんとテレビの内容について話など、会話や思考を促すことで、子どもの言葉の発達に良い影響があるようです。

まとめ

子どものテレビ視聴については賛否両論あると思いますが、今回はお子さんの発達のために、テレビを有意義に使うポイントをお話しました。

テレビ視聴のメリット・デメリットも知ったうえで、お子さんの成長を促す1つのツールとして活用できればと思います。

横浜市都筑区児童発達支援と放課後等デイサービス 運動・学習療育アップ

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