皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害を抱える方向けのアプリ」についてです。
昨今、様々な便利アプリが登場し、人々の生活を豊かにしています。
しかし、ADHD(注意欠陥・多動症)やASD(自閉症スペクトラム)等の発達障害を抱える方にとっては、「もっとこんな機能があったら使いやすいのに!」と思う方もいるでしょう。
この記事を書いている私自身も発達障害当事者(ADHD、ASD)なのですが、日常生活で苦手としている部分を補ってくれるアプリを見つけたら積極的に利用しています。
今回はそういった発達障害を抱えている方向けに作られたアプリについて紹介していきます。
目次
そもそも発達障害とは?
発達障害とは、成長に「極端な偏り」が出来てしまい、生活に支障が生じてしまうほどの障害を総称する言葉です。
発達障害の特徴
発達障害は大きく3つに分類されます。
ASD:自閉症スペクトラム障害やアスペルガー症候群
- 会話に馴染めない。話が合わないので、1人でいることが多い
- 相手の目を見て話すのが苦手
- 場の空気や、相手の表情を読み解くことが苦手
ADHD:注意欠陥・多動性障害
- 同じ席にじっとしているのが苦手
- 注意散漫の為、団体行動から外れてしまい、迷子になりやすい
- 列に並んで待つこと、我慢が苦手なので、先頭に割り込んでしまいがち
LD:学習障害
- 言葉の読み書きが苦手なので、朗読に時間がかかる。
- 簡単な計算、暗算が苦手
- 単語は読めても、文章になると読めない
発達障害の症状は、抱えている人、症状の重さにより様々です。
ASDのみを抱えた人がいれば、ADHDとLDを併存している人もいます。
意外と知られていない発達障害者向けのアプリ
現在では、私達の生活に無くてはならないモノとなったスマートフォン。簡単にダウンロード出来て、持ち運びも楽なことから、発達障害の関するアプリが注目されています。
発達障害当事者である私自身も驚いたのですが、現在では発達障害者向けのアプリがたくさんApp StoreやGoogle Playにリリースされています。
主に発達障害のお子さま向けのアプリが多いのですが、中には本格的に作りこまれていて、大人の発達障害の方や、発達障害ではない方でも使えるアプリもあります。
また、「自分は発達障害かもしれない、、。」と悩んでいる方は、一般社団法人発達障害支援アドバイザー協会がリリースしている、『発達障害簡易チェッカー』を使って、まずは自分がどの程度発達障害に当てはまるのか、試してみても良いかと思います。
発達障害チェッカー
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下記ツイートをご覧下さい。実際にこのアプリを体験された方のツイートです。
しかし、このアプリはあくまで質問に答えながら簡易的に発達障害の疑いがどの程度あるかを測るだけに過ぎないので、本格的に発達障害の症状に当てはまる方は病院での診断を受けることをお勧めします。
アプリを利用して発達障害の苦手を補う
発達障害を抱えている方が苦手としていることは個々人の特性によって違いがありますが、主に「時間管理」「コミュニケーション」「タスクの管理」等が苦手分野として挙げられます。
発達障害向けのアプリの中でも特に、「障害のない社会をつくる」というビジョンを掲げているLITALICO社は発達障害のお子さま向けに様々なアプリをリリースしています。
時間管理が苦手なお子さま向け
ねずみタイマー
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ADHDを持っている方は時間の管理が苦手であることが多いです。
こちらのアプリはお子さま向けですが、ねずみがりんごをかじるアニメーションを用いて、視覚でわかりやすく時間の長さを認識することができます。
コミュニケーションが苦手なお子さま向け
えこみゅ
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こちらの「えこみゅ」というアプリでは、アプリ内のカードをタップすることで音声が発信され、口頭でなくても相手に自分の気持ちを伝えることができます。
ASD等の対人コミュニケーションを苦手とするお子さまが自分の感情を相手に伝えるなどの場面に活用できるでしょう。
タスク管理が苦手なお子さま向け
やることカード
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主にADHDのお子さまの中にはものごとの優先順位をつけることが苦手な方が多いです。この「やることカード」ではゲーム感覚でものごとの優先順位をつけることができるアプリです。
日常生活での動作や使用する道具、向かう場所などをアプリ内の絵カードを使って画面に並べ、時間を設定するだけで「やることリスト」を簡単に作成できます。
「やることリスト」を達成した時のアニメーションもかなり凝っていて、達成した際にはお子さまの喜ぶ姿が見られるかもしれません。
ゲーム感覚で楽しめるアプリも
にゃんタップ
にゃんタップ無料(2020.02.27時点)LITALICO Inc.posted with ポチレバ
同じネコを探しタップしていくアプリです。
「同じモノを選ぶ」というトレーニングを、ゲーム感覚で鍛える事が出来ます。
可愛いアニメーションで楽しみつつ、色々な刺激を受けることが療育にとって重要な部分となります。さらに、家族で楽しもるのも良い特徴です。
大人でも楽しめて、何より癒されますね。
参照元:LITALICO にゃんタップ
アプリだけでは補うことができない部分
ここまで、発達障害を持つお子さま向けに開発されたアプリの紹介をしましたが、アプリだけで発達障害の課題を解決することはできません。
発達障害を治す方法が見つかっていない為、症状を抑える薬の処方、社会に適応していくトレーニングなどが主な治療となっています。
特に、社会的に孤立してしまうリスクを減らすには、徐々に集団生活のなかで周りの子どもたちとコミュニケーションを取るスキルを身に着ける必要があります。
アプリはあくまでツールであり、発達障害による2次障害を防いだり、周囲の子ども達と適切なコミュニケーションができるようになる為には、家庭や学校での支援が必要です。
既に抱えている障害の影響で、「うつ」や「引きこもり」などの精神障害を併存してしまう2次的な障害の事を言います。
児童発達支援と放課後等デイサービス 運動・学習療育アップでは、発達障害を抱えた児童を対象に、デイサービス事業を行っています。
とはいえ、アプリや技術の進化もどんどん進んでいます。スマートフォンアプリだけでなく、今後はARゴーグルを使ったソリューションも出てくるはずです。
そうしてテクノロジーの進歩が発達障害で苦しんでいる方たちを生きやすくしていく流れは今後も続くでしょう。
まとめ
発達障害の方向けに開発されたアプリを紹介しましたが、いかがでしょうか?
発達障害当事者の方や、発達障害のお子さまを持つ方がいたら今日からでも使ってみる価値があるアプリもあったのではないかと思います。
アプリを使って発達障害の苦手部分を補い、社会に上手にとけこんでいくというのはとても建設的な方法です。
しかし、常にアプリが万能というわけではありません。
家庭や学校で適切なケアを受けつつ、凄まじい速度で進んでいくテクノロジーの恩恵を受けながら発達障害と向き合っていというのも選択肢の一つとなるでしょう。