1日のうちに起こった出来事を頭の中で整理して話すことが苦手な子どもには、どのような工夫をしてあげるべきなのでしょうか。
「今日は何をしたの?」と聞いて、幼稚園や学校での生活の様子をうまく話すことができない様子の子どもとの向き合い方をまとめます。

質問されること自体を苦手に感じている場合の対処法

「どんな出来事があった?」と聞かれること自体に抵抗を感じている子どもの場合、大人が寄り添って過去の出来事を思い出す練習を一緒にしてあげましょう。
子どもによっては、ほんの数分前の出来事でも、思い出すことができない場合があります。
もしくは、思い出すことができても何を聞かれているのか正しく把握できないこともあるでしょう。

そこで、大人が子どもと一緒に同じ経験を共有し、直後に一緒に思い出す練習をするのがおすすめです。

具体的には、子どもと一緒になんらかのアクティビティを体験します。
例えばカルタ遊びをしたり、体を動かす遊びをしたり、後になって具体的に思い出せるものが良いでしょう。

遊びが終わったら子どもに「今何をして遊んだっけ?」と聞いてみてください。
そこで子どもがすぐにこたえられなかったり悩んでいる様子を見せるようなら、大人がすかさず「カルタ遊びをしたよね」「縄跳びをして遊んだよね」などと答えを教えてあげましょう。

答えを教えたら、子どもがそれに反応して「カルタ遊びをして遊んだ」と真似て繰り返し答えるまで待ちます。
子どもが自分の口で答えられたら、「そうだよね。じゃあ次は〇〇をして遊ぼう」などと言って促し、次の遊びに進む若しくは同じ遊びを繰り返し続けましょう。

遊びと質問の繰り返しをすることで、徐々に大人がお手本を見せなくても子どもが主体的に過去の出来事を思い出せるようになるはずです。
いきなり過去の出来事の説明を問われると戸惑ってしまう子どもも、このように大人が一緒になって直前の動作を声に出して確認することで落ち着いて思い出すことができます。

他にも日常の様々な場面において同様の方法で子どもの記憶を引き出す練習をするとより効果が望めます。
例えば夜ご飯の準備をしている時、子どもが食事を確認できる場面で「今日のご飯はなんだと思う?」と聞いてみたり、ゲームで遊んでいた子どもに「なんのゲームをしてたの?」と聞いてみましょう。

こうすることで、直前の出来事や目の前の出来事について質問をするとより思い出すきっかけを身近に作ることができます。

自宅で服を着替えた直後に「服を着替えられたね」、宿題が終わったら「宿題終わったね」、買い物をした後に「欲しかったものが買えたね」と、大人が積極的に過去の出来事について過去形で伝え一緒に確認をするのも効果的です。
その際、子どもが大人の発言を繰り返して「うん、〇〇できた」と声に出して確認できるよう促しましょう。

この繰り返しに慣れてきたら、学校から帰ってきた子どもに「今日はどんな勉強をしたの?」「誰とどんな遊びをした?」と問いかけた際の受け答えも、少しずつ充実してくるはずです。