皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害 絵」についてです。

お子様の描いたを見て何か違和感を感じる・・周りの子が描いた絵と何か違う気がするけど、もしかしたら発達障害かもしれない。

そんな風に不安に思うお母さんお父さんは少なくありません。

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青木
他の兄弟と比べたり周りの子と比べることで「この子だけ?」と余計に不安になる人は多いです。

この記事を読むことでその不安が少しでも軽くなればと思います。

発達障害かどうかは絵で分かることもある

発達障害は大きく分けて3つあります。

  • ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)
  • ADHD(注意欠如・多動性障害)
  • LD(学習障害)

発達障害の特性についてはこちらをご覧ください。

10歳ぐらいまでは発達段階の違いが人によって大きいので、その分描く絵にも個人差がどうしてもあります。

知能指数ではなく絵の方が特徴的

発達障害は「知的障害を伴わない」ことが圧倒的で、中には周りの子より勉強が得意な場合が大いにあります。

なので「学習面」では分かりづらいことが多いのですがコミュニケーションや生活の中で分かることがほとんどです。

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大竹
その中で絵に表れることも多く、診断に加味されることがあります。

特にASD傾向のある子の絵の描き方が特徴的だと言われています。

認知の仕方は、生活のさまざまな点に影響を及ぼしますが、そのひとつは、とりわけ絵を描くことに表れます。

引用 絵の描き方から分かる自閉症スペクトラムの4つの特徴

見え方の違い

その子によって様々ですが、同じものを見ても「見え方が違う」ということもあります。

さまざまな認知

主にASDの傾向が強い人に多いとされていますが視覚や聴覚が過敏なことがあり、「見えているもの」そのものが他の人と違うように見えるということがあります。

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青木
そう思うと同じものを見て描いた絵も違ってくることに納得できますね。

視覚の面から

人の顔を描いた絵で目が顔の下の方にあったり、顔が描かれていなかったりすることもあり周りからは「変な絵」「こわい」と言われてしまうこともしばしばあります。

わざと違和感のある絵を描こうとしているのではなく「そう見えている」ことがあったり、「人の顔を顔として認知ができていない」ということがあります。

運動機能の面から

目で見て、頭で考えながら手を動かすということが運動機能の面から出来ないという子もいます。

こちらの動画は人間の絵が年相応に描けない子の理由を解説されています。

https://youtu.be/cKtUVFwRAMs

「発達性強調運動障害」と診断されボディイメージの困難さや空間認識の苦手さから絵を上手く描けなかったそうです。

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青木
その子によっては顔のパーツがまだ分かっていなくて、目や口の位置がずれていたりすることもありますね。

色彩感覚の面から

他の人と見え方が違うということの中に、「色が違って見える」ということもあります。

アスペルガー症候群や発達障害の人は色覚が一般人と違う場合が多く、原色的に発色しているように見えたりするという研究結果があります。

引用 発達障害の色彩感覚は違うと聞いたので調べてみたら驚く内容だった
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大竹
視覚過敏であるために使う色が偏る場合もあります。

絵を描くことは難しいこと

絵を描くということは、本来とても技術が必要なことですよね。

「実物を見て描く」「想像して描く」などまっさらなキャンバスに「自由に描いていく」のはとても難しいことだと私は思います。

上手に描くより楽しく描く

上手に描こう」と思うと誰かの評価を気にしてしまうようになり、絵を描くことが嫌いになってしまうこともあります。

楽しく自由に絵を描くと現実にはあり得ない組み合わせの絵を描くことがあったりと、常識にとらわれずに描くことができて夢がありますね。

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青木
例えば時計の数字がバラバラだったり海の中の絵なのに鳥が飛んでいたりですね。
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大竹
絵の中は自由で正解や不正解がないと私は考えるので、とても発想が豊かで面白かったり素敵だなと思うことが多いです。

こちらの動画はASDと診断された子が絵を描く様子のものです。

絵が上手に描けないと思っているのは母の「私」と言われているところが印象的でした。

周りの人が「上手い下手で判断しない」ことが大切だと学ばせてもらえました。

手軽に楽しくやってみよう

絵を描くことの良さはあまりお金をかけなくても気軽にできることでもありますよね。

大きな紙いっぱいに描いてみる

大きな画用紙や模造紙を床に置いて
クレヨンで「とにかく自由に描く」

お子様の夏休みの宿題やお絵描きに重宝されています。

こちらはおこめから作られたクレヨンで、ちいさなお子様が舐めても大丈夫なので安心して使えます。

段ボールや型紙をくり抜いてなぞる

段ボールとか型紙の中に四角・三角・丸などの形にくり抜いて
その枠をクレヨンや色鉛筆でなぞって描いてみる

いくつか大きさを変えて作ってみて色々な形と大きさと色を組み合わせるのも楽しいです。

スタンプなどを組み合わせて顔を作ってみるのもおすすめです。

パンや料理に顔をつくる

発達年齢に合わせて
パンにチーズとピーマンやトマトなどを使って顔をつくってみる
料理の盛り付けを顔にしてみる

少し「絵を描くこと」から離れますが、食べ物は形や色の組み合わせでみると面白いものです。

どんな色の組み合わせがきれいかな?などと考えながら盛り付けてみることも絵を描くこととつながると私は考えます。

ボディイメージを強める

特に人間の絵を描くことは「ボディイメージ」がとても大切だと言われています。

一つひとつ自分の動作を目で見て確認しなくても、無意識にでも、思ったところに手足を伸ばすことができる。

これは、自分の身体がどんな動きができるのか、大きさがどれくらいか、など身体の輪郭や大きさというボディイメージを把握しているから、できることなのです。

引用 不器用さはどこから?着替えや運動にも繋がる「ボディイメージ」とは

公園で遊ぶこともボディイメージを強めるためにとても重要なことだと私は思います。

  • ジャングルジム
  • シーソー
  • 鉄棒
  • うんてい
  • すべり台

様々な遊具がありますが「手でつかむ」「バランスをとる」「タイミングを合わせる」など、体の機能が鍛えられます。

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大竹
「把握できていること」が人間の絵に表れやすいので、できるだけ思いっきり遊具で遊ぶことをおすすめします!

上手い下手で判断しない

特に発達障害をもつ子は「発想の豊かさ」「常識にとらわれない」ということが何よりも強みだと言われています。

特に絵や音楽という芸術の分野はある程度の技術は必要なものの、それ以上に「人にはないもの」が人の心を惹きつけることが多くあります。

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青木
「上手い下手」ではなく「その子ならではのもの」という軸で見てみるとまた見え方が違ってきます。

ジャッジをしない

施設を利用している小学校3年生の子が、その日の授業で「ことわざを選んで絵を描いたよ」と教えてくれました。

他のクラスメートは「犬も歩けば棒に当たる」「石の上にも三年」などの意味が分かりやすく絵も描きやすそうなものを選んでいたそうですが、その子だけ「羊頭狗肉」という少し難しい言葉を選んでいました。

絵も見せてくれましたがとてもリアリティーがあって少しグロテスクな絵でしたがこだわってしっかりと描き込んでいました。

その子とはとても仲良くなっていたので「まずことわざじゃないよ!」とツッコミを入れたりもしていました。

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大竹
ツッコミを入れつつも、目のつけどころが違うなぁと私は感心しました。

ここですぐに「これはダメでしょ」などと否定すると、信頼関係が悪化したり「絵を描く」ことそのものが嫌いになってしまうかもしれません。

インタビューするように聞いてみる

ジャッジをしない代わりに「質問してみる」ということもできますね。

何が描いてあるのか分からなくても普段良い関係をつくっていれば、やりとりはスムーズにできることが多いです。

「これはマリオ?」とこちらが間違ったことを聞いても「ルイージだよ!」と嬉しそうに教えてくれたりもします。

絵を描くことがそもそも苦手な子

反対に絵を描くことが好きではない子が、真っ白な画用紙に「何を書いても良いですよ!」と漠然と言われると何を書いて良いか全く分からずにパニックになる子もいます。

無理せずスモールステップで

絵を描くことが苦手だと思っている子の中には「何をどう描いて良いのか分からない」と感じ全く手が進まないということが多くあります。


特にASD傾向のある子は真面目な場合が多いので適当にもできなくて困ることがよくあります。  

描いてみせる

・最初に親や周りの人が描いて手本をみせる 
・「海は青かな」「太陽は赤かな」と口に出しながら描く

まず形を描いてみる

・「形は何かな?」と言いながら丸、三角、四角とおおざっぱに形だけ描いてもらう 
・星、雲などとステップアップしていく

こまめに声かけをする

・一つ一つの作業のあとにと声かけをする
・「丸が上手に描けたね!」「まっすぐ線を引けたね」など小さなことで    OK

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青木
お母さんや周りの人も無理なく楽しくできるのが理想ですね!

 りんごを例にあげて具体的に言うと、 事前にママが丸いりんごを描いておく お子さんに枝の部分(線)のみを描かせる 「りんご描けたね!」と強化をする

引用 発達障害)絵が描けるようになる方法

まとめ

今回は「発達障害と絵」の関係について

・見え方の違い

・絵を描くことはそもそも難しいこと

・上手い下手で判断をしないこと

・楽しむこと

などをお伝えしました。

絵そのものではなく思いっきり体を動かして遊んだり、簡単な料理を一緒に作ってみたりすることも「体験したことを表現する絵」につながってきます。

何よりも「楽しくできるもの」と思うことが一番です。肩の力を抜いて気軽にできることからやってみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。