皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害児のお子さんにも役に立つヘルプマーク」についてです。
あなたはヘルプマークをご存じですか?
もしヘルプマークを正しく理解して活用できれば、発達障害を抱える子どもたちが安心して外出できるかもしれません。
今回の記事では「ヘルプマークの効果的な使い方」と「ヘルプマークを見かけた時の接し方」について、具体例を交えながら紹介します。
ヘルプマークを必要とする人、手を差し伸べる人、双方に役立つ記事となっているので、参考にしてみて下さいね。
目次
ヘルプマークとは

ヘルプマークは目で見てわからない障害や病気の方のためのマークで、東京都から始まり、今では全国に広がりました。
外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。
引用:東京都福祉保健局


ヘルプマークは発達障害の人でも利用可能
ヘルプマークは「外見からは見えないヘルプ」に気づいてもらうためのマークなので、発達障害の人にも利用できるものです。
発達障害の大変さって外見からは分かりにくいですよね。
近年はテレビや書籍、ネット記事などで発達障害の症状や特徴に関する情報を毎日のように目にするようになりました。
発達障害で苦しんでいる人たちの存在を世間が知るようになり、差別や偏見も少なくなってきたように感じます。
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対象となる人
- 義足
- 人工関節
- 妊婦初期
- がん患者
- 聴覚、言語、視覚の障害
- 発達障害
- 知的障害
上記のように、外見からは分かりにくいが援助や配慮を必要としている人たちを対象としています。
配布場所
2012年に東京都で配布が始まりました。その後、2017年に案内用図記号に追加されて全国共通のマークになります。
そして、2019年10月現在、1都1道2府37県で導入されており全国的に普及が進んでいます。
案内図用記号(ピクトグラム)とは言葉に頼らず、見た目で内容を理解できる図形です。日本語の分からない外国人にも見た目で内容が伝わるように工夫されています。
ヘルプマーク以外にも沢山のピクトグラムがあります。興味のある方は▷▷▷国土交通省
基本的に、本人またはその代理人(家族や支援者など)などからの申し出により配布されます。障害者手帳や診断書などの提示は不要です。
配布場所は自治体によって異なります。まずは、お近くの市役所(障害福祉課)にお問い合わせください。
多様な主体による作成・活用を促すため、一定の要件を満たす場合に大きさを変更して作成・使用したり、ステッカーを作成することも可能です。
詳しい内容を知りたい人は▷▷▷東京都福祉保健局
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創作が苦手な方はネットショッピングなどで探してみてもいいでしょう。
ヘルプマークの使い方

基本編:目立つ場所に付ける
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このヘルプマークは周りの人に気づいてもらうことが目的です。
なので、かばんやリュックなどの目立つ場所につけておくと良いでしょう。特に、学校に通っている時はランドセルに付けるのをオススメします。
かばんなどを持ちたがらない子どもの場合、ズボンやスカートなどにつけるのはどうでしょうか。
とは言え、色や形状が目立つデザインとなっているこのヘルプマーク。「ちょっと目立ち過ぎかも。さすがに気になっちゃう」と考えてしまうお母さんもいますよね。
そういった場合は、子どもの好きなキャラクターのキーホルダーやマスコットと一緒につけるなど、工夫をこらしてみてはいかがでしょうか。
ただしヘルプマークが隠れて見えなくなってしまわないように、注意してくださいね。
応用編:ヘルプカードを使って知ってもらう
ヘルプマークにヘルプカードを組み合わせて使うとさらに効果的です。
ヘルプカードには「緊急連絡先」「お薬の情報」「対応方法」などが書かれています。通常はヘルプマークの裏側に貼り付けたりして、一緒に持ち歩いています。
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特に発達障害の場合、人とのコミュニケーションが苦手なことが多いので、落ち着いて周りの人に説明するのは大変ですよね。
なので「症状の特性や対応の仕方」などをヘルプカードに記載して準備しておきます。例えば、こんな感じです。
- 周囲の音、光、匂いに過剰に反応してしまい、パニック、めまい、頭痛などを起こすことがあります。
- 人混みがすごく苦手です。
- 人と目を合わせて話すのがとても苦手です。
- 落ち着いてじっと座っていることができません。
- 質問は「はい」「いいえ」で答えられるものにしてください。
特性を書いたメモを見れば、周りの人も適切な対応できるかもしれません。
本人もカードを見せるだけでいいので簡単ですし負担を最小限に抑えられます。
具体的な活用場面の紹介
それでは、ヘルプマークやヘルプカードを使った具体例をみてみましょう。
ケース1「迷子」
発達障害を抱える子どもの特徴の一つとして「落ち着きが無く、周りに不注意になりがち」というのがありますよね。
そのため、お母さんと一緒に外出していた時、ちょっと目を離したすきにはぐれてしまって迷子になるかもしれません。普通、お母さんとはぐれて迷子になった子どもは、発達障害の有る無しに関わらず、泣き出したりしてパニック状態に陥ってしまうでしょう。
発達障害を抱える子どもの場合は尚更です。知らない人を非常に怖く感じたり、街中の音や光に苦しんでいる(知覚過敏)かもしれません。
そのような状況では、周囲の人たちに上手く状況を説明することは大変難しいでしょう。手を差し伸べようとしても、どうしたら良いか分かりません。
そんな時、子どものリュックに付けてあるヘルプマークを見つけます。すると「見た目は迷子になった普通の子どもに見えるけど、外見からは分かりにくいだけで、何かあるはずだ」という予測ができます。
そして、ヘルプマークをめくって裏側を見てみると、ヘルプカードが貼り付けられあります。そこには、次のような情報が書かれています。
- 障害を持つこと:うちの子は発達障害です。人見知りが激しい。太陽の光や音がとても苦手です。
- 具体的な対応法:背中をさすりながら、〇〇ちゃんと呼んであげると落ち着きます。
- 緊急連絡先:△△△-〇〇〇〇-XXXXまで連絡をお願いします。
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▼その他迷子になったときの対応は下記の記事も参考にしてください。
ケース2「災害・事故」
自然災害や事故はいつ襲ってくるか分からないので、万が一意識を失ってしまうと、自分で特性を説明できません。
救出時に駆けつけた救急隊員がヘルプマークを見つけたらどうでしょうか?
裏側にはヘルプカードが貼られており、以下のような内容が書かれていました。
- 障害を持つこと:ADHDの発達障害を抱えています。
- 薬の情報:ADHDの症状を緩和させるお薬を日常的に服用します。どうしても落ち着かない時に、頓服薬〇〇〇〇を使用しています。
- かかりつけ医:△△病院の〇〇先生が主治医です(電話:△△△-〇〇〇〇-XXXX)。
- 緊急連絡先:△△△-〇〇〇〇-XXXXまで連絡をお願いします。
救出前に特性を把握したことにより、救急隊員は通常よりもより適切な対応ができるでしょう。
視覚過敏・聴覚過敏のシンボルマーク(無償公開データ)
聴覚過敏や視覚過敏で悩まれている発達障害の子どもたちは多いと思います。
見た目には分かりにくいので、症状による大変さを理解してもらえずに困っているのではないでしょうか。しかも都度説明を行うのも大変ですよね。
ですが安心してください。聴覚・知覚過敏を周知の人たちに気づいてもらうためのシンボルマークが無償で公開されています。


興味のある方はHPよりダウンロードしてヘルプマークの裏側に貼ったり、ステッカーやキーホルダーとして活用してみてくださいね。
ヘルプマークやヘルプカードの使い方を具体例で紹介しながら紹介しました。
「うちの子どもにも使ってみようかしら。安心して外出ができるようになるかも」とお考えになれた人は、ぜひ活用を検討してみてくださいね。
公的な証明書ではない
ヘルプマークは公的な証明書ではありません。
たとえばテーマパークで障害者として入場する場合、別途障害者手帳などが必要です。
もちろん障害者手帳と合わせてヘルプマークを利用し、効率よく園内を回るのは問題ありませんので上手に活用しましょう。
見かけた時の接し方

今度は、当事者ではなく、第三者の立場として考えてみましょう。
もし外出先でヘルプマークを付けている人を見かけたら、声をかけてあげてみませんか。
上述したように、ヘルプマークを付けている人たちは一見すると普通の人に見えます。けれども、実はとても困っている、誰かの助けを待っているかもしれません。
まして、発達障害を抱えていると、人とのコミュニケーションが苦手な場合が多いので、外出先で知らない人に自分から声をかけることは、大変難しいのですよね。
この気持ちは、発達障害を持つ子どものお母さんには、すごく分かるのではないでしょうか。
だからこそ、もしヘルプマークを付けている人を見かけたら、
「大丈夫ですか」「何かお困りではありませんか」「こちらの席に座りませんか」と勇気を持って思いやりのある言葉をかけてみるのはどうでしょうか。
自分のことを気にかけてくれている人がいると感じられることで、ヘルプマークを付けている子どもたちは安心して外出しやすくなるかもしれません。

子供とその家族の支えとなる福祉サービスを目指している「運動・学習療育アップ」では、発達障害と子育てに役立つ情報を発信中です。
もしかしたら、保護者の方の悩みを解決するヒントが見つかるかもしれません。
まとめ
- ヘルプマークは目に見えない障害や病気の方が利用できるマーク
- ヘルプカードに特性や連絡先の情報などを書くといざというときに役立つ
発達障害を抱える子どもたちが安心して外出できるためには、まず「気づいてもらう・知ってもらう」ことが必要です。
それでもヘルプマークを付ける行為には勇気が必要になります。
「周りに障害があるって知らせて回ってかえって差別に合わないかな…」などと不安に思う気持ちなるかもしれませんが、焦らずに周りの方と相談しながら考えてみてください。
普段はカバンの中に閉まっておいて、調子の悪いときだけ見える位置に出す方もおられるそうです。
一方、ヘルプマーク見かけた人たちは、温かい気持ちで「見守り」勇気を出して「声掛け」を実践してみませんか。
双方が勇気を出して歩み寄ることによって、発達障害を抱える子どもたちが元気よく、安心して外出できるようになるのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。