集団行動が苦手な子どもは、思いもよらないことで悩んでいる可能性があります。
そこで、無理に溶け込ませようとするのではなく、子どもがどんなことでつまずいているのかをよく確認した上で、集団行動に感じる苦手意識を軽減できるようにサポートしましょう。
子どもの困りごと別に対処法をまとめます。

指示がわからなくなり困ってしまう

集団行動をする際の指示が分からず困っている子どももいます。
集団で行動する際は、周囲の喧騒が気になって、出された指示を聞き取ることが難しくなってしまうことも少なくありません。

そんな時は、学校の先生に相談して、子どもにとって分かりやすい指示になるよう工夫してもらうのがおすすめです。
口頭指示だけでは混乱してしまう場合があるので、大事なポイントは黒板などに書いて可視化します。

ただ、授業内容など別のことが書かれた黒板の隅に指示を書いたところで、子どもが注目することはありません。
大切なポイントを板書する場合には、何も書いていない黒板の真ん中に大きい文字で書き記すようにしましょう。

長文の指示では混乱してしまうことがあるため、1つ1つの文節を短く端的に書き記すのがポイントです。

また、子どもの名前を呼んで今から大切な話をするということをあらかじめ伝えたり、子どもが注目できるように前置きをするのも大切なことです。
話を聞く姿勢に入らせることで、指示を受け取ってもらいやすくなります。

これらの工夫をする際は学校の先生の協力が不可欠となるため、「集団の中で一斉に指示されると聞き取りづらく混乱してしまう」ということを学校側に伝え、工夫してもらえるように促しましょう。

遊びのルールがわからない時

休み時間や放課後に行われる遊びのルールが分からずに集団遊びに溶け込めていない場合もあります。
子どもやクラスメイトに、よくやる遊びのルールを聞いて子どもに伝えておきましょう。

イラストなどで分かりやすく解説するのがオススメです。
口頭だけでは難しいので、図示すると良いでしょう。

イラスト化するのが難しいと感じる場合には、遊びのルールをイラストにしたサイトや本を活用しましょう。
紙が用意できたら、それを見ながら子どもと一緒に家で練習しましょう。

もしルールに抵抗を感じる場合は、一部ルールを変更するなどして参加を検討しましょう。

力加減の調節やリタイアに関するルールなど、子どもが恐怖心を抱かずに済むような工夫が大切です。
これらの工夫によって遊びに参加することができたら、喜びを分かち合うような反応を示して子どもの気分を上昇させましょう。

大勢の中にいると疲れてしまう

学校生活の中で大勢と集団行動を共にすること自体が苦に感じられる場合、無理に集団の中に引き込もうとするのは得策ではありません。
集団と適度に距離を置きながら過ごせる居場所を作ってあげましょう。

集団行動に疲れた時、離れて休める場所を定めておくことも大切です。
休み時間の騒がしい雰囲気が苦手なら、図書館を避難所として使うなどの工夫を子どもや先生に提案しましょう。

困った時落ち着ける場所があれば、子どもにとって安心材料になります。
そのためにも、日頃からどんな場面で困りごとを感じているのか子どもに確かめておきましょう。