皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害家庭教師」についてです。

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青木
家庭教師といえば「家に来て勉強をみてくれるサービス」というイメージですが、発達障害にも対応してくれるのでしょうか?
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大竹
もちろんです。ただ、効果的なサービスを利用するために気を付けたいことを抑えておく必要があります。

具体的にはどのような点に留意すべきなのでしょうか?今回は、家庭教師の利用について詳しくご紹介したいと思います。

学習で躓く発達障害児

発達障害を持つ子どもたちは、学校の勉強にうまくついていけずに、困難を抱えてしまうことが多くあります。

発達障害と一括りにしても、ひとりひとり苦手な部分が違います。家庭教師はその子どもの特性・状況に合わせてくれますので、効果が期待できます。

発達障害は大きく、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の三つに分けて考えられます。

この三つの共通点は生まれつき脳の発達の仕方が通常と異なることですが、適切なフォローによって、生きづらさを緩和することができます。

それぞれが抱える困難

この三つの障害の特性と、授業で抱えうる問題についてご説明します。

自閉症スペクトラム障害(ASD)

「言葉」から意味を汲み取ること、扱うこと(比喩が分からない、行間や場の空気が読めない、曖昧な言葉に混乱するなど)が苦手な傾向があります。

授業では図や写真での説明、教師の身振り手振りなどの利用があっても、どうしても口頭での説明が情報量としては多くなりがちです。

しかし先生の話している内容が分からなくなっても、クラス単位で進んでいる授業を中断することは困難でしょう。このため「分からない」がそのままになってしまいがちです。

多動性障害(ADHD)

大きくふたつ特徴があり、 ひとつめは不注意。これは何かに集中できず気が散ってしまいやすい、順序だてて物事に取り組めないなどとして現れます。

もうひとつは多動や衝動性。これは静かに待つことが苦手で他人の邪魔をしてしまうなどです。

学校での授業は一コマ何分と決まっていて、その時間集中することが求められます。しかし「不注意」のためそれが難しく、「分からない」ができたり増えたりした子どもにとって、授業は退屈なものとなります。

そうするとじっとしていられず、衝動性、多動性から授業の邪魔をしてしまうことにもつながることがあります。

学習障害(LD)

知的な遅れがないけれども、 聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するといった能力のうち、特定のものの習得と表現がとても困難であるケースです。

では「読む」が苦手だと国語が苦手になるのかといえば、そう単純ではありません。これらの能力は学習していくうえで、どれも欠かせないものです。

例えば計算がいくら得意でも、「読む」ことが難しいと文章問題が解けずに、算数自体の成績には繋がりません。そのため苦手な能力に手厚いフォローが必要になります。

参照元:家庭教師の選び方完全ガイド

家庭教師という選択

子どもの特性に合わせて個別にできるという点は先述した通りですが、障害の特性によっては個別指導でも学習塾という慣れない場所に行くこと自体が困難・苦手であったり、他の生徒に気を取られて自分の学習に集中できないこともあります。

その点、家、という自分の慣れた場所、人目を気にせずリラックスできる場所で個別に勉強ができるのは効果的であると考えられます。

ではどのようにして、授業は行われるのでしょうか。

家庭教師の大きな利点

発達障害を持つ子どもを教える家庭教師は、勉強面だけでなくコミュニケーションを重視することが多いといいます。

苦手な部分を分かりやすく説明するだけでなく、子どもとのやりとりを通して信頼関係を築くことや、やる気の出るように子どもとの対話を大切にするのです。

習った内容を身に着けられるかは「吸収しようとする姿勢があるかどうか」で大きく変わってきます。学習塾では無駄話として切られてしまうような部分でも、家庭教師が子供の興味をうまく学習につなげたり、会話そのもので信頼関係を高めて意欲につなげたりできることが、強みでもあると言えるでしょう。

子供が「この先生は分かってくれる、安心できる」「先生との話は楽しい」と感じられれば、子どもは指導を受け取る姿勢を取りやすくなります。

指導例1

発達スタディというサイトに、家庭教師を利用している方のこのような声がありました。

息子、家庭教師授業中だけど、今日は体調悪いから机に向かって座っていられない。多分ベッドに転がって暗算大会だ😅
先生すいません💦不登校専門や発達障害など色々抱える子供専門のプロ家庭教師、この先生のおかけで息子は勉強は楽しい!って思ってる。ホント、プロフェッショナル!

— しょう (@sho_crystal) 2017年8月1日

引用元:発達スタディ

学習塾では寝転がることなんて許されないでしょう。けれどその方法が今この子にとっては最適であるとして、実際に勉強が進んでいます。

こうした柔軟な対応をできることも、家庭教師の強みではないでしょうか。

指導例2

さらに「家庭教師のファミリー」という家庭教師センターでは、以下のような指導例がありました。


学校から発達障害の疑いを指摘されたTくん(小学二年生)は、授業についていけず、分からない問題があると感情的になり暴れることもありました。

家庭教師による授業でも感情的になることはありましたが、家庭教師が良かった点を褒め、気持ちが落ち着くまで待っていると、自分から学習の意欲を見せるようになりました。

読み書きに強い抵抗感があったTくんに合わせ、国語は絵本の読み聞かせから始め、楽しさを感じさせるように工夫。また文章を書いて褒められる経験を積ませるためと、彼の状態を知るため、日記を宿題にすると、次第に長い文が書けるようになりました。加えて文章問題に対するパニックもなくなったとのこと。

成績も向上し、保護者からは「勉強以外、例えば一週間に何があったかなども聞いてくれ、でもとても親身になってくれた。成績が上がった際は、息子にここまでできる能力があったと知り嬉しかった」と述べていました。

参照元:家庭教師のファミリー 軽度発達障害支援


このように、子どもの特性に合わせ、苦手な分野も興味を惹きながらできるところから行うことで、着実に「できる」を増やし、成績を上げていったのです。

注意点

しかし、どんな家庭教師も上記のような対応をしてくれるわけではありません。また他にも家庭教師選びに注意すべき点があるのでご紹介します。

障害に対して理解がある

大前提は「障害に対して理解があること」です。

先ほど例に出した「家庭教師のファミリー」の「軽度発達障害支援」というコースのように、発達障害に合わせた授業を取り扱っている家庭教師センターがあります。そういったところを利用するのがよいでしょう。

また相談体制がきちっと整っている(スタッフに電話やメールですぐ相談できる)ことが、発達障害を持つ子どもの教育には欠かせません。

指導方法

そのセンターごとのオリジナルテキストがある場合があります。大きく躓いている科目がある場合は、 基礎的な内容を迷わず学ぶことができる、オリジナルテキストがあるセンターが良いかもしれません。

もちろんテキストとの相性もあるので、サンプルなどを実際に見て、良いと感じたら利用するのがおすすめです。

一方手持ちの教材(学校の教科書、プリントなど)で自由に指導するセンターもあります。両方選択できる場合もあれば、オリジナルテキスト使用の場合もありますので、その点もチェックしましょう。

料金

また気になるのが金額です。

金額の目安としては、発達障害専門の家庭教師になりますと小学生で1回60分で4000円~9000円ほどになります。週1回60分で月額○○円と設定している場所が多いので、確認してみてください。

選び方

家庭教師センターは多くありますが、一対一の関係なので、慎重に選んでいく必要があるでしょう。

サービス内容、金銭面などを比較して、気になったセンターが見つかったら、資料請求を行ったり、実際に体験授業を受けてみたりして、お子さんとの相性をよく見て決めていきたいですね。

家庭教師センターを簡単な質問から検索、提示してくれ、一括で資料請求ができる「かてきょナビ」というサイトがありますので、参考にしてみてください。

「かてきょナビ」公式サイト

学習以外の家庭教師

少し話が横道に逸れますが、学習面ではなく社会生活を支えるスキル(ソーシャルスキルと言います)を見てくれる家庭教師センターもあります。

この技能を訓練することを「ソーシャルスキル・トレーニング(SST)」と呼びます。SSTを行っているセンターでは、同じく子供の特性・苦手に合わせて、社会生活で必要なスキル獲得のための指導が行われています。

ゲームやロールプレイ、日々の会話などを通して、挨拶やコミュニケーションの力を身に着ける、自分の感情をコントロールする、ルールを守る、などを覚えていきます。

またSSTは家庭教師だけでなく医療機関や児童療育施設、児童発達支援施設などで指導員やセラピストも行っています。

本サイト、放課後デイサービス・アップは、 発達支援及びデイサービスを行っています。具体的にどのようなものなのか知りたい方は、次の記事もご参照ください。

まとめ

今回は発達障害を持つお子さんへ向けた家庭教師という内容を取り上げました。

障害に対して理解、経験のある家庭教師をうまく利用すれば、お子さんに合った指導で、これまで躓いていた点の解消できたり、また得意を伸ばすことにつながるかもしれません。

今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。