不登校が発生する経緯とは

不登校は、色々な要因が元となってできた下地に、少しのきっかけが加わり引き起こされるものです。
要因には、社会や家庭、個人の要因、本人にとって学校環境の魅力が乏しいこと、教師の対応能力が乏しいこと、他の生徒との関係性構築の難しさなどが挙げられます。

例を出すと、親子関係上の問題などに代表される、家庭の要因や学歴偏重社会などの社会の要因によってできた下地に人間関係のトラブルが引き金になることで不登校に至ってしまうなどといったケースがあります。

引き金となるのは学校関連の問題が多い傾向にあり、以下のようなものが挙げられます。

・授業で適応できない
・成績の低下
・友人とのトラブル
・いじめ
・部活動で適応できない
・転校

初期に適切な対処がされず不登校が続くと、学習に後れをとってしまうのはもちろんのこと、生活リズムが乱れるなど新たな要因が生じて解決のハードルが高くなってしまいます。
ゆくゆくは不登校が家庭内暴力やアルコール中毒などを引き起こすこともあり、決して軽視することはできません。
学校や関係機関の協力を得ながら早期の対処を行うことが大切です。

不登校の経過

不登校は、小中学校、高校共通で1前駆期、2開始・進行期、3混乱・4引きこもり期・回復期の4つの時期に分けられます。
とはいえ、適切な支援を行えば、次の時期に進行せず再登校が望めます。

ただ、発達障害が絡む場合には、これらの時期に当てはまらず求められる対処が異なることもあります。

1. 前駆期
学校に行くべきか葛藤する時期です。学校に行きたくないと訴えたり、体調不良のふりをすることがあります。
起床できない、着替えない、トイレにこもる、カバンの中を繰り返し確認する、前日学校の準備をするのが遅いなどといった特徴が見られます。

この時期にする適切な対応としては、本人の話を真剣に聞くことです。

2. 開始・進行期
学校に行かない、行けないというはっきりとした不登校宣言が行われる時期です。
家庭での身体状態は前駆期とほぼ同じですが、場合によって異なることもあります。

起床しない、目を開けても起き上がらない、布団から出ようとしない、教科書や制服に関心を示さなくなるといった特徴が見られます。
ここで適切な対応をしなければ、本格的な不登校が始まります。

この時期の適切な対処としては、本人の罪悪感や自責の念に考慮しつつ精神の安定を図り、目標設定から具体的な行動化を目指す方策を考案し実行することです。

3. 混乱・引きこもり期
怒りを伴う荒い言動、沈黙、引きこもり、無気力化が現れる時期です。
引きこもって食事を運ばせたり、入浴や下着の交換をしなくなることもあります。
また、長期間の欠席によって久しぶりの登校に躊躇いを感じ、不安感が増長され再登校への意欲が低下してしまう子どももいます。
中学2年以上で暴力的行動を伴う不登校の場合、精神疾患が疑われます。

この時期には、長期化を防ぐため登校意欲を高めるための働きかけや目標と目標実現のための具体的な行動計画などの対応が必要となります。

4. 回復期
自信を回復して登校に対する前向きな感情を持つようになるのがこの時期です。
散髪したり、参考書を読んだり、学校の友達の話をするようになったら、回復期に入った合図です。

本人の意思を尊重して適切な配慮をすることが求められますが、お節介に感じられてしまわないよう注意が必要です。

また、家庭の手伝いをするようになることも、回復期のサインです。
子どものこのような心遣いに気づいたら、率先して感謝の気持ちや嬉しく感じていることを伝えるようにしましょう。
それが子どもの自己肯定感につながります。