皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害 何科」についてです。
「子供が発達障害かもしれない」、「自分って発達障害かも」
そう感じた時にあなたはどこに相談すれば良いか知っていますか?発達障害は診断が難しく、取り扱ってくれる医療機関が少ないのが現状です。
今回は発達障害かもしれないと感じた時、どこに相談すれば良いのか?病院の何科に診てもらえば良いのか?紹介します。病院の選び方や病院で何をするかも一緒に見ていきましょう。
目次
発達障害は何科で診てもらえる?
病院の中で発達障害を診てくれる科は、小児科、小児神経科、児童精神科、精神科、心療内科です。
しかし、これらの科であっても、発達障害に対応していなかったり詳しくなかったりします。
子供なのか大人なのかでも異なるので、それぞれどうしたら良いか確認しておきましょう。その前に発達障害について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
子供の場合
小児科、小児神経外科、児童精神科などで診てもらえます。
発達障害専門の医者もいますが、予約がいっぱいで中々診てもらえないことがあります。まずは近くの医療機関を探しましょう。
子供の発達障害は1歳半、3歳健診の時や幼稚園・保育園、学校でのトラブルから可能性を指摘されることが多いです。
その場合は、直接医師に診てもらっていたり、学校のスクールカウンセラー、養護教諭がいたりするので、その方たちに相談しましょう。近くで発達障害を診てくれる医療機関を紹介してくれます。
健診の時に指摘されなかったけど、気になることが増えてきた時は、自治体の発達相談窓口、地域の発達障害者支援センター、保健センターに問い合わせてみましょう。
医療機関の紹介の他にも、療育施設や発達に関する相談に乗ってくれます。全国の障害者支援センター一覧はこちら
こちらの記事では相談窓口について紹介しています。
子供の発達障害は早期に発見し、適切な療育、治療を受ければ支障なく社会生活を送れるようになることが多いです。
大人の場合
精神科、心療内科で診てもらうことができます。
大人の発達障害は、会社や家族とトラブルになり、うつやアルコール依存症などの別の精神疾患を患ったことで見つかるケースが多いです。
発達障害の影響で対人関係や日常生活がうまくいかないことでストレスが溜まり、別の精神疾患や問題が生じることがあります。これを二次障害と言い、うつや依存症、睡眠障害などがあります。子供の場合は、不登校などに繋がります。
子供に比べ、大人の発達障害を診ることができる医者が少ないのが現状です。大人の場合もまずは、発達障害者支援センターに相談し医療機関に関する情報を得ましょう。
二次障害の治療を行っているかかりつけ医がいる場合は、そこで相談しましょう。二次障害の治療を行いながら、心理教育やスキルトレーニングを行うことで、改善させることができます。
病院の選び方
学校や支援センターで紹介してもらった病院が合わなかったり、自分で選びたいという方に向けて、病院を選ぶ時のポイントを紹介します。
認定医を探す
日本児童青年精神医学会では、一定の条件を満たした認定医の名前と所属病院を公開しています。一般社団法人【日本児童青年精神医学会】で一覧を見ることができます。
2020年度末時点で417名、2021年6月6日現在421名が登録されています。
認定医になるには、最近3年間で30名以上の児童青年患者を診療し、詳細な症例報告が日本児童青年精神医学会に評価される必要があります。
参考 一般社団法人【日本児童青年精神医学会】
ADHDの場合は薬の取り扱いを聞く
ADHDでは薬物治療を行うことが多いです。その薬物のうち、コンサータという薬を処方できるかどうかでADHDに詳しい医者か判断できます。
コンサータは強い薬のため、厚生労働省が定めた条件を満たして登録された医師しか処方できません。診察の前に確認しておくと良いでしょう。
コンサータは以下のような効果があります。
中枢神経を刺激することで脳内の神経伝達機能が改善され、注意力の散漫や衝動性、落ち着きのなさといった症状が改善されることが期待されます。
引用 宮木医院リオムメンタルクリニック
受診したら何するの?
発達障害の疑いがある場合、病院では次のような流れで診察を受けます。
問診
まずは問診から始まります。聞かれる内容は主に、
- 日常生活で困っていること
- 日常の過ごし方
- 昔と比べて変化はあるか
などです。大人の場合は、乳幼児期の様子や成長過程での変化が重要になるので、家族同伴の方が良いです。
普段の生活で気になることがあったら、メモを取っておくことで問診の際に答えやすくなります。子供の場合、名前を呼ばれたときの反応や言葉の発達などを医師が確認します。
検査
問診の次は、スクリーニング検査が行われます。スクリーニング検査とは、発達障害の可能性がどのくらいあるかを調べる検査です。
この検査だけでは、発達障害であると診断することはできません。
スクリーニング検査で発達障害の可能性が高いと判断された場合、心理検査・発達検査・知能検査が行われます。これらの検査の詳しい内容はこちらの記事で紹介しています。
他にも、脳波の検査やCT画像検査などの医学的検査が行われることがあります。
診断・治療法の相談
検査結果や経過観察の後に発達障害と診断されると治療が開始されます。治療は主に薬物療法、精神療法、環境調整が行われます。これらについては後程解説します。
発達障害の治療において大事なのは、治すことではなくて、生活しやすくすることです。特性は人それぞれなので、自分の特性にあったトレーニング、支援をしっかりと相談しましょう。
発達障害の治療法
薬物療法
ADHDの場合は、薬物治療が有効です。神経伝達に関わる機能を薬で補助することで症状の改善が期待できます。どんな薬がどのような作用で効くのか興味のある方は、こちらの動画をご覧ください。
実際に薬を服用している女の子の様子もアップされています。
精神療法、療育
発達障害の治療の中心となるのは、精神療法、療育です。検査結果や日常生活での困りごとを参考に、どんなことが得意で、どんなことが苦手なのかを明らかにし、苦手を克服するためのトレーニングを行います。
療育では、日常生活に子供の発達を促し自立した生活ができるように、身の回りのことを自分でできるように練習したり、周囲とコミュニケーションが取れるように働きかけをします。
それぞれの特性に合わせた個別支援計画に基づいて行われます。放課後デイサービスや児童発達支援施設などで受けることができます。
療育を行う前に作成される計画書のことです。いつまでにどんなことをできるようにするか具体的な目標を立て、そのためにどんなトレーニングを行うかを記します。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)も精神療法の一つです。
発達障害を持つ方は、人とのコミュニケーションが苦手です。SSTを通して他人の気持ちを察する力や自分の気持ちの伝え方などを伸ばしていきます。
ゲームを行いルールの大切さや他人との協力を学んだり、ロールプレイをして他人の気持ちを想像する力を養うなど、様々な形式があります。
SSTは、精神科のある病院に併設されているデイケア、就労移行支援、療育施設などで受けることができます。SSTについてさらに知りたい方はこちらの記事を参考にしてみて下さい。
環境調整
病院で行う治療の他に、環境調整を行うことも重要です。環境調整とは、苦手なことを補助するために周囲の環境を工夫することです。
いくつか例を紹介します。
- 忘れ物しやすい特性⇒チェックリストを作成。出かける前に親が確認。
- 視覚や聴覚からの刺激に敏感⇒サングラスやイヤーマフなどで刺激を抑える。
- 読み書きが苦手⇒コンピューターを使った文字出力、音声読み上げソフトを利用する。
環境調整を行うことで劇的に発達障害の症状が改善されることもあります。
まとめ
今回は、発達障害は病院の何科で診てもらえるか紹介しました。ポイントは以下の通りです。
- 小児科、精神科など様々な科が対応しているが、専門的に診てもらえないこともある。
- 発達障害者支援センターなどに相談し、医療機関を探すと良い。
- 治療は薬物療法、精神療法、環境調整などが行われるが、自分の特性を理解し対処していくことが重要。
発達障害であることを診断されるのは、ショックを受けることもありますが、診断を受けることで様々な支援を受けることができます。
発達に関する悩みがあったら専門機関に相談しましょう。