皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害を抱える子供の」についてです。

「自分の子ども、もしかしたら発達障害かも・・・」や「発達障害と診断されたけれど、今後どうやって子育てしていけばいいのかわからない…」など、

自分の子供に発達障害があると、これからの生活のことも予想がつかず様々な不安を抱えてしまう保護者の方は多いのではないでしょうか。

育児は大変です。しかも発達障害を抱えているとなれば、その苦労は更に増してしまうでしょう。

この記事では、自分の子どもに発達障害があるのでは、と感じたときの対応・発達障害を抱える子どもを養育していくコツについて記していきます。

発達障害かも?と感じたら

近年、軽度の発達障害を抱えている子どもの数が増えています。そして最近では大人になってから発覚するケースも多いようです。

仮に幼少期に障害を抱えていると分かった場合、早い段階から本人にとって心地の良い環境を用意し療育することが可能となります。

療育とは

障害を抱えた子供に適した環境におくことで脳の成長を促し、症状の緩和や社会に対する適応力を養うこと

発達障害かも?と感じる行動

発達障害は特徴的な外傷などはありません。なので、素人では周囲は勿論、自分自身ですら「これが障害」と分からない場合があります。

さらに発達障害の診断は難しく、長期的な検査が必要なほどです。専門的な知識を有した者でなければ正しい判断はできません。

ですが、「えっ?」と思うシーンは所々に隠れている場合があります。一例として下記にご用意しました。

  • 目を合わせようとしない
  • 物事に興味を示さない
  • 言うことを覚えない
  • クレーン現象がある
  • 言うことをなかなか聞かない
  • 急に奇声をあげたり、泣き出したりする
  • いつもこだわりの服や物がある
  • 保育園や学校では一人でいることが多い
  • 言葉や文字が読めない・覚えない
  • 家では大人しいが、外でトラブルを起こすことが多い 等

ただ、上で紹介した特徴全てが発達障害に関わっているとは限りません。

POINT

上でも触れた様に、発達障害の診断は難しく、素人では判断ができません。
紹介した特徴に当てはまるからと言って、「発達障害を抱えている」とは限らないのです。

クレーン現象とは

身近な者(保護者)の腕をクレーンの様に使い、自身の興味や要求したい対象に近づける行動です。

これに関する記事がありますので下記にご紹介します。ぜひ併せてご覧下さい。

気づかないふりをしない

「自分の子どもが、発達障害のわけがない」

不安があるにも関わらず、このように自分の気持ちをごまかしてしまう保護者も少なくありません。

しかし、もし子どもが本当に発達障害を抱えている場合、このような行為は彼らの傷を増やすだけです。

例えば、「じっと座っていることが難しい」という特性を持つADHDの子がいるとします。

本人にADHDがあるとわかっていれば、「そういった障害があるんだ」と理解を示してもらうことができます。

しかし、もし知らなかったら座れない事を「根気がない」などと思われて、否定的な言葉を投げられてしまうかもしれません。

実際、上記のように障害の事を知らないがために心無い言葉を言われてしまい、自分でもどうしてできないのかが分からず、自己肯定感をなくしてしまう発達障害児は少なくないのです。

それなので、子どもの行動や言動で何かおかしいと感じたら、気づかないふりをせずすぐに周囲に相談してくださいね。

かかりつけの小児科医の先生や、保育園や小学校の先生、発達障害者支援センターなどから診療場所の情報を得ることができます。

自己流で解決しようとしない

発達障害を持つ子の中には、感覚過敏を併発する子も少なくありません。

感覚過敏とは、人間の持つ五感のうちの何かが通常と比べて敏感になっている状態の事を指します。

例えば、視覚過敏であったら蛍光灯や日中の陽の光がとてもまぶしく感じてしまったり、嗅覚過敏であったら特定の香りを嗅ぐと吐き気を催してしまったり。特定の刺激が本人たちにとって耐えがたい苦痛となっていることが多いです。

ただし、そこに理解を示さず「やる気がないからだ」「しつけがたりないからだ」「慣れれば大丈夫」などと考え、子どもが嫌がる刺激に敢えて晒してしまう親がいるかもしれません。

このようなことを繰り返してしまうと、トラウマの発生につながってしまうのです。

親の自己流ではなく、その分野のプロにまずは話を聞きに、受診をしてください。

発達障害を持つ子どもとの生活

さて、子どもが発達障害を持っていることが分かった後の生活で、気をつけて頂きたいことがいくつかあります。

子どもへの対応

発達障害の有無に関わらず、たくさんの人が苦戦する子育て。

まずは、発達障害を持った子どもと親は、どのように良好な関係を築いていけるかについて記していきます。

理解する努力を

障害受容という言葉を聞いたことはありますか?その名の通り、「障害を受け入れ取り組む」という意味があります。

障害者が訓練を行っていく中で、家族の支えや同じ障害を持った人との交流により、情緒が安定し、目標に向けて前向きに努力をするようになります。そして自分自身の障害の存在を認め、障害に対して積極的に受け入れ、あるがままの自分を容認する段階になります。この段階で障害の受容にいたります。

引用元:健康長寿ネット・障害の受容過程

要するに、障害はその子の一部分にしか過ぎない。

その一部分を見てマイナスな感情を起こすのではなく、その子の持つ様々な面を総合的に見て、その価値を信じて前向きに生活していきましょう、という事です。

親であると、どうしても子どもの安定を望んでしまう事が多いので、他の人と少し変わったことをしていると不安に思ってしまうこともあるでしょう。

しかし、そこで子供の特徴を理解し受け入れて、プラスのパワーに転換していくことが重要なのです。

また、子どもにとって一番身近にいる親に理解してもらえることは、これ以上ない喜びであると言っても過言ではありません。逆に、親に理解してもらえない場合、心に長く傷を抱えてしまいます。

発達障害を抱える子に対しては、普段以上に「相手を理解し受け入れる」という姿勢を意識してください。

子どもの特性に合った環境を用意する

発達障害は、個々によってその特性が様々です。

そんな子どもの特性を理解し受け入れた次は、周囲の環境を整えてあげてください。

得意なことや、苦手なことを考慮した生活様式を提供できると、子どもの精神的な負担も減らすことができます。

以下がその例です。

  • 上手く予定を覚えられない子には、言葉だけではなく、文字や絵を使って予定を視覚的に説明したものも見せる
  • 視覚過敏の子にはサングラスを用意したり、部屋の照明を暗くする
  • 得意なこと(例:絵を描く)に没頭できる環境づくり
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青木
上記の内容をぜひ参考にして、環境を整えてみてくださいね。

否定的な言葉を使わない

なかなかいう事を聞いてくれない、コミュニケーションがうまくいかない・・・

その結果、怒鳴りつけてしまったり、「本当にダメな子ね」と子どもを突き放してしまう人も少なくないはずです。

ただし、それは逆効果。むしろ、親子間での信頼関係を傷つける原因にもなるでしょう。

発達障害を抱える子供たちは特に、社会から理解を得ることが難しいと感じる子が多いです。

それなので、自分の親にまで否定的な言葉を使われたり怒られてしまうと、「自分はダメな人間なんだ」と自信を無くしてしまい、二次障害をより発症しやすくなってしまいます。

何か注意する時、怒りそうになった時などは、一度深呼吸をしてみてください。そして落ち着いたトーンで、優しく話しかけてあげてくださいね。言い換えの例は以下となります。

  • 「走っちゃダメ!」→「歩いてくれるかな?」
  • 「いつまで遊んでるの!ダメじゃない!」→「そろそろお片付けしてね~」
  • 「宿題もしないで、本当にだらしない!」→「宿題終わってないなら早めにやった方がいいよ」
二次障害とは

発達障害を抱える方々は、世間からの理解を得られにくい立場にあることが多いです。その結果、親や先生からの過剰な叱責、仲間外れにされる、というようなストレスを受けてしまいます。

このストレスが溜まってしまうと、精神的・身体的な症状につながります。これを、二次障害といいます。

ゆっくり落ち着いて、目を見て話す

発達障害を抱えることにより、聞こえてくる音の情報処理が難しい場合があります。

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大竹
つまり、普段のペースで話しかけていても、正しく聞き取れない可能性があるんです。

また、子供が他のことに意識を向いている最中に話しかけても聞き取れない可能性があります。

お願いする時は、相手の目を見て「ゆっくり話しかける」ことを意識しましょう。

ほめる

「できない」所に注目されてしまうことが多い発達障害を持つ子にとって、ほめられることはとても重要になってきます。できるだけ日常から、たくさんほめてあげてください。

発達障害を抱えている人は、自己肯定感が低い人がほとんどで、成功談も多く持っている人はそこまでいません。

「できる」所に注目して、得意なことをほめることによってさらに伸ばし、本人の自己肯定感を上げていけるようにしましょう。

例えば、お皿が下げてもらえたら、「お皿さげてくれてありがとう!」「助かるよ~ありがとう!」などと声をかけてみること等ができます。

「こんなのできて当たり前でしょ」とほめているうちに思ってしまう方もいるかもしれませんが、そういわずぜひ続けてみてください。

ほめることによって、スモールステップでの達成感を味わうこともできますし、自信もつけてくれるようになるでしょう。

ライター体験談

筆者の家では、ASDを持つ筆者の妹の小さな行動を一つ一つほめるようにしています。

テレビを消してと頼んで消せたとき、自分から歯磨きをしに行った時、使っていたペンを元の場所に片付けられた時など、相手をほめることができる場面はこのようにたくさんあります。

参照元:teens障害受容現代ビジネス子供情報ステーション

自分への対応

さて、発達障害を抱える子どもの子育てにおいて、自分自身のケアは子どものケア以上に大切になってきます。

そのケアを怠っていると、場合によっては抑うつになってしまう人もいるので、今一度育児において心掛けていきたいことをおさらいしましょう。

POINT

症状の重さにより異なりますが、発達障害を抱えた子供の育児による負担は計り知れません。

大切なことは、一人で悩まないことです。

自分を責めない

「自分の子どもが他の子とちょっと違うのは、自分の子育てが原因なのではないか」

不安に思ってしまう方が多いです。

しかし、発達障害は決して、しつけなどですぐに改善するようなものではありません。それなので、子どもたちの行動は決して親のせいではないのです。

周囲と比べて焦ったりせず、今目の前にいる子にとって何が良いのか?落ち着いて向き合っていきましょう。

助けを求める

一人で抱え込まず、積極的に周りに相談してください。

配偶者など家族以外にも、公的なサービスを利用することもできます。

相談することにより、発達障害に関する様々な情報に触れることもでき、将来の不安についても解消できることもあるので、ぜひ話を聞いてみてください。

相談できる場所の例は以下。

また、発達障害を抱えた子供の保護者で結成された自助グループ「親の会」というのがあります。

同じ境遇の仲間ができることで情報の共有や相談ができるなど、「聞いてみて良かった」と思える情報が得られるかもしれません。

この「親の会」に関する記事がありますので下記にご紹介します。ぜひ併せてご覧下さい。

デイサービスという方法も

また、最近では発達障害を抱える子供のデイサービスも充実しています。

デイサービスを利用すると、親は子どもを預けることができるので、育児から一度休憩をとることができます。

同時に、子どもの学習や運動、アクティビティを行っているところがほとんどなので、子どもも成長・楽しむことができ、一石二鳥です。

アップも、そんな放課後デイサービスを提供している所の一つ。

運動や学習を通じて、発達障害を抱える子どもに社会で生き抜く力を身につけさせることを目標に活動しています。

専門知識を持ったスタッフが常にいるので、子育てに関する相談にも乗ることもできます。

ご興味があればぜひ、お気軽にお問い合わせください。

発達障害とその分類

これまで発達障害を抱える子どもの親は、どのような行動をとればよいのか記してきました。

ところで、そもそも、発達障害ってどんなものがあるのでしょうか?

最後に、発達障害の特性と分類について記していきます。

発達障害とは

発達障害とは、生まれつきの脳の機能障害のこと。

その特性によって自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、チック障害、吃音症などに分類されます。

そして個人差が大きく、人によっては複数の発達障害を同時に抱えたり、強度が違ったり、同じ分類でも違う特性を持っていたりするのです。

ライター体験談

筆者の妹は重度のASDを抱えていて、高校を卒業した後でも施設に通っています。

一方筆者の友人で軽度のASDを抱えている人は、発達障害のない人々と同じ大学に通っています。また、その人はASDの他にも軽度のADHDも持っています。

これが、同じ発達障害の強度の差・発達障害の併発の例です。

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青木
では、近年増えてきている発達障害の三つの分類について詳しく説明します。
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大竹
その分類に属する全ての人々が、同じ特性を持っているわけではありません。個人差が大きいということを忘れないでください。

自閉症スペクトラム障害(ASD)

ASDは主に対人コミュニケーションにおける障害です。

以下のような特性があります。

  • 言葉の発達の遅れ
  • 集団行動が苦手
  • 偏った興味やこだわりを持つ
  • 対人関係・コミュニケーションなどがうまくいかない

偏った興味やこだわりを持っていたら、それを無理やり辞めさせるなどといった行為は控えましょう。

また、子どもが集団となじめないかもしれないと心配して、わざとグループ活動に参加させることも、本人にとっては苦痛でしかない場合もあります。

言葉の発達が遅かったり、社会性に何かしらの問題を感じた場合も、焦らず見守ってあげてください。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

ADHDはその名の通り、通常よりも不注意であったり多動である障害のことです。

その特性は以下。

  • じっとしていられない
  • 片づけができない
  • 物事を整理整頓することが苦手
  • 集中できない

じっとしていられない、不注意(うっかり)の多い障害なので、そこで叱ったり、怒ったりしても障害が治るわけではありません。

それなので、落ち着いた態度で、その都度できることを考えていきましょう。

また、物事の整理が苦手な子に対しては、予定などは紙に書いたり、絵で見せてあげると分かりやすいと感じてもらえるかもしれません。

学習障害(LD)

LDは、全般的な知的発達には異常がないにも関わらず、ある特定の分野の学習が極度にできない障害です。

そのできない内容の例は以下となります。

  • 単語は理解できるが、文章になると理解ができなくなる
  • 数字の概念が理解できず、計算をすることができない
  • 文字が書けない

不得意なことを無理やり周りのペースと合わせて学ぼうとすることは禁物です。個人のペースで、勉強方法にも工夫を加えていきましょう。

参照元:厚生労働省発達障害情報・支援センター

まとめ

さて、この記事では発達障害を抱える子どもの親について記してきました。

子どもの発達障害を疑った場合は、すぐに受診しに行きましょう。

そして、子育てにおいては以下のことを意識してください。

【子供に対して】

  • 理解し、受け入れる努力をする
  • 子供の特性に合った環境を用意する
  • 否定的な言葉を使わない
  • ほめる

【自分自身(親)に対して】

  • 自分を責めない
  • 助けを求める

ぜひ親子の間で、良好な関係を育んでください。