皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「妊娠中の環境要因」についてです。
妊娠中は、赤ちゃんが元気に産まれて来てくれることを願うあまり、何かの原因で障害を抱えていたらと不安になることがありますよね。
そうした不安を、不安のままに放置しているとさらに大きく怖くなってしまい、精神的な不安定はご自身にも周囲にも悪影響を及ぼします。
今ある不安を正しく知ることで、マタニティライフを前向きに進めるための一助になるでしょう。
そこで、特に関心の高い「食事やストレスと発達障害」についてを中心に、その他にどのような環境要因によってリスクが高まるのか、現在報告のある研究データに基づいて紹介します。
目次
発達障害の原因は妊娠中にある?
私の次男は発語が遅く、小学生になってからも言葉を操るのに苦労をしていました。
田舎で情報に疎い義母からは、小さく産まれた事や愛情不足を指摘され辛かった思い出が蘇ります。
近年、世界では「自閉症・注意欠陥多動性障害(ADHD)・自閉症スペクトラム障害(ASD)・学習障害(LD)等」の、発達障害を抱えて生まれる子供が増加傾向にあり、それは日本も例外ではありません。
特殊学級の在籍数が1993年から2002年までに約1.5倍ほど増えているのです。
数多くの研究から、現在では発達障害は遺伝要因ではなく、環境要因であることが通説となってきました。
はっきりとした原因はまだ解明されていないのが現状ですが、 発症のリスクを高めるだろう要因はいくつかの報告があります。
妊婦さんやご家族が取り組めるものとして、いくつかを上げてみました。
食事と発達障害
妊娠中の私は吐きつわりが酷く、食べられたのは「トマト・ブロッコリー・豆腐」くらいでした。
温めると湯気で吐き気がしたので、体を冷やさない常温で細々と食べていましたね 。
赤ちゃんの分まで栄養を!なんて周囲のプレッシャーに、無理して食べている方もいらっしゃるでしょうか。
逆に友人は食べ過ぎてしまう(食べつわり)で苦労していたようです 。
そんな中で、食事内容が発達障害の発症と関りがあると言われると、何を食べれば良いか悩んでしまいますよね。
食べられないことで影響はある?
脱水症状を防ぐために、水や麦茶、ノンカフェインで糖分の少ないものをこまめに摂るのを忘れずに。
しかし、亜鉛やビタミン(A・B群・D・E)、オメガ3脂肪酸等を含む栄養素の欠乏が発症リスクを高めるとの報告もあります。
食事で補えないと感じる場合はサプリメントで補給する方法もありますが、何をどれくらい飲むかを自己判断せずに、必ず医師に相談をしましょう。
食べ過ぎてしまう場合の影響は?
食べつわりの方は、空腹になると吐き気が強くなるので食事量が増えてしまいます。
友人はこれにより体重増加に悩んでいました。
お腹の赤ちゃんへの栄養は十分確保できるものの、母体の肥満や糖尿病が発達障害の発症リスクを増加させるとの報告が出されています。
妊娠前の体系にもよりますが、あまりに急激な脂肪の増加は発達障害だけでなく流産や巨大児の出産など、他の危険も高まります。
空腹を避けるために少量を小分けにして食べたり、ヘルシーな食品を選んだりすることで対応できます。
気を付けたいのはヘルシーばかりに囚われないこと。
羊水や胎盤、出産に向けて乳房が大きくなるなど妊娠中は増えなければならない重さがありますので、高脂肪食には注意をして調整してみましょう。
食事で気を付けたいこと
基本的には通常の食事などで構いませんが、一つのものを過剰に摂取するのは避けるようにしましょう。
例えば、ノルウェーでのコホート研究で、葉酸(ブロッコリーや枝豆など)、ビタミンD(魚類に多く含まれる)の欠乏が発達障害のリスクを高めると示唆しています。
葉酸やビタミンDは栄養素として重要な役割を果たしますが、過剰摂取は別の病気を引き起こす可能性が高まりますので注意が必要です。
同様に、話題となったヨーグルトや小魚は鉄分不足や腸内環境のためには確かに良いですが、摂りすぎは禁物ですよ。
〇〇を食べていれば大丈夫、というものはありません。
大切なのは量ではなくバランス、を意識してくださいね。
避けて欲しいものとしては下記が挙げられます。
- カフェインやアルコール
- 生ものや加熱が不十分なもの
- 高脂肪食
上記に注意をして、通常の食事で補う栄養素はバランス良く摂取するように心がけましょう。
ストレスと発達障害
妊娠中はホルモンバランスが乱れて心身共にデリケートな状態。
イライラや落ち込み、不安を家族に出さないようにと必死で我慢していたのを思い出します。
我慢し過ぎてさらに苦しくなり、パートナーにキレてしまったこともありました。
妊娠や出産・出産後の生活変化など不安に思うのは当然のことで、妊婦さんが様々なストレスを抱えてしまうのは仕方がないことなんです。
ホルモンバランスの乱れも手伝って、常に心穏やかに過ごすのはとても大変。
では、そうしたストレスが発達障害のリスクを高めると考えられている理由は何でしょうか。
ストレスが及ぼす影響
一時的なストレスがお腹の赤ちゃんに影響してしまう可能性は極めて低いです。
しかし、慢性的なストレスや大きなショックは、少なからず影響があると考えられています。
それは、ストレスがかかると無意識な力みから筋肉が緊張して血流が悪くなり、お腹の赤ちゃんに栄養が届きにくくなるからです。
赤ちゃんが身体を成長させていく過程で栄養が滞ることにより、発症リスクが増加すると考えられるでしょう。
「コルチゾール」は通常ならば胎盤が防いでくれますが、妊娠初期や未発達な胎盤ですとお腹の赤ちゃんに届く可能性もあるのです。
血流の悪化や心拍の減少は、発達中の神経系に影響を与えて発達障害のリスクが高まると知られています。
ストレス減らすためには
現代社会で常にストレスフリーな生活を送るのは困難ですよね。
ストレスを感じちゃダメだと思っても、「感じる」ことをコントロールして「感じなくさせる」なんて私にはできませんでした。
実践して良かったこととして、天気の良い日は散歩をしたり、 お腹の張りやつわりが軽い時にカラオケへ行ったこと。
ヒトカラで好きな曲を好きなだけ歌うのは、今でも続けている私のストレス発散法です。
「規則正しい生活」「バランスの良い食事」「身体を冷やさない」というのはうんざりするほど聞きますよね。
これは、身体を整えることでホルモンバランスが整い、ストレスが減ったり耐性が上がるからなのです。
毎日きちんと必ずやらなくてはいけないと思ってしまうと、出来なかった日に自分を責めてしまい、返ってそれがストレスとなってしまいます。
日光を浴び、動けるときは散歩をしてみたり、食べられるものでバランスを調整してみましょう。
自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
きちんとできなくても、健康的な生活リズムを意識してみてください。
ストレスをなくすことに注視するよりは、「不安なのが当たり前」と受け入れて大丈夫です。
ストレスがある現状を否定せず、前向きな対処を考えることを大切にしてくださいね。
その他の要因
妊婦さん自身や家族で取り組める食事やストレスの他にも、発症リスクを高めるだろう環境要因というものが報告されています。
しかし、あまりナイーブに受け取ることなく「ひとつの知識」と考えてください。
発達障害に関連する遺伝子というものは500以上あるとされていますが、その関連遺伝子だけで発症するのは極めて低いようです。
そこに環境要因が関わることによって発症すると考えられています。
タバコが大きな環境要因であることは有名ですが、これは辞めることが可能なものですね。
主な要因としては、有機リン系農薬・環境化学物質・放射性物質・水銀なども多く知られています。
その他に、父母の高齢や35週未満での出産、夏の妊娠や生殖補助医療による妊娠という報告もありました。
様々な要因が報告されていますが、避けようのないものもあります。
例えば父母の高齢などは、誰もが望んで若いうちに結婚や妊娠ができるわけではありません。
また農薬や放射性物質なども、知らずに曝露している可能性もあります。
まとめ
妊娠中の環境要因が発達障害の発症率に影響するという、いくつかの研究報告はありますが、明確な原因はまだ分かっていないのです。
自分でコントロールできないことまで抱えてしまって、不安や恐怖を大きくすることはありません。
まずは「良い」とされていることを無理なく生活に取り入れてみましょう。
生活習慣も食事も「できるところから少しずつ」を意識して、妊娠・出産という特別な体験を満喫してください。
そして、発達障害を抱えていらっしゃる方、そのご家族様にとってあらゆる「障害」はきれいごとではなく大変です。
健常者が何も考えることなくできることができなかったり、できるまでに別の方法を考えたり試したり。
ご苦労があることは、少なからず関りがある私も理解に遠くありません。
しかし、どうかご自分を責めることのないように願います。
苦労が多いことと、不幸は同義ではないのですから。