皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害の赤ちゃんの様子」についてです。
「発達障害のある赤ちゃんは手がかからない」という言葉を聞いたことはありますか?
泣くことが少なかったり、抱っこしても大人しかったりと、「手のかからない子」は、”発達障害”を抱えている場合があります。

手のかからない赤ちゃんの様子は、本当に発達障害の予兆なのでしょうか?
お母さんお父さんの目から見て違和感があるようでしたら、相談先や気をつけたいポイントも知りたいですね。
この記事では、発達障害と手がかからない赤ちゃんの関係について調査し、相談先の情報や気をつけたいポイントなどを盛り込んでまとめました。
ぜひ参考にご覧下さい。
目次
手がかからないのが特徴=発達障害?

発達障害を抱えている赤ちゃんは、手がかからないと言われています。
これには、「泣く」という赤ちゃんの本能的な欲求が低いことが考えられます。
「お腹がすいた」「抱っこして」「おむつを交換して」などの意識が低く、お腹が空いていても要求するという反応を示せません。なので、結果的に”手のかからない赤ちゃん”となるのです。
しかし、手のかからない赤ちゃんは「必ず」発達障害を抱えているとは限りません。逆に、元気に泣いて手のかかる赤ちゃんでも、発達障害を抱えている場合はあります。
なので、我が子が手のかからない赤ちゃんだったとしても、「この子は発達障害だ!」と思い込むことはありません。
発達障害っていつわかるの?

発達障害という言葉が世間に周知されることで、「もしかして、うちの子も…?」と心配になる保護者は少なくありません。

ですが、出産前や新生児の時期には、発達障害を診断することはできません。
じゃあ、いつ頃なら分かるのか?
ここでは、検査やわかる年齢について解説していきます。
診断ができるようになるのは2~3歳頃から
乳幼児期の子どもは成長によって様子が頻繁に変わり、成長の一過程なのか発達障害の特徴なのか明確に診断することができません。
その為、診断ができるようになるのは早くて2~3歳頃からといわれています。
【検査ができるようになってくる年齢の目安】
- 1歳頃~幼稚園児
発達障害のひとつ「自閉症スペクトラム障害(ASD)」の兆候が見られ始めます。
(※兆候だけではハッキリと診断できないこともあります)
【例】
人の目を見ることが少ない、指さしをしない、他の子どもに関心がない など - 幼稚園児~7歳頃
発達障害のひとつ「注意欠如・多動性障害(ADHD)」の症状が分類できるようになってきます。
【例】
じっと座っていることが苦手、集中することが苦手、忘れ物が多い など - 小学1年生頃~
発達障害のひとつ「学習障害(LD)」の症状がわかり始めます。
【例】
文字を読むのが苦手、文字を書くのが苦手、計算することが苦手 など
発達障害は、早期の発見と療育の開始が効果的とされています。


発達障害の検査について
発達障害の検査は専門の医療機関などで、問診や行動観察、心理検査、発達検査などを通して行われます。
何度も検査をしたり、症状の経過をみるために期間を開けての再受診が必要となったりすることがあります。
(詳しくは各医療機関にお問い合わせ下さい)
【発達障害の検査を受けられる医療機関の例】
- 発達障害の検査を行っている小児科の病院
- 児童精神科/小児神経科/発達外来のある病院 など

医療機関を受診することに気が引ける場合や、どこの医療機関を受診すれば良いかわからない場合は、まずはお住まいの地域の保健センターや「子育て支援」の窓口、または発達障害者支援センターへ相談してみましょう。
この他「1歳6ヵ月健診」や「3歳健診」などの乳幼児健診でも、その場での診断はできませんが、発達障害の可能性をチェックしてもらうことができます。
(詳しくはお住まいの地域の窓口にお問い合わせ下さい)
また、3歳児健診に関する解説を、下記の記事にて記載してあります。よければ併せてご覧下さい。
相談・検査の時に、あった方が良い物
【相談する・検査を受ける時にあった方が良い物の例】
- 母子手帳
- 育児日記
- 不安点などをまとめたメモ
- お子さんの日頃の様子が映った動画
- 保育園/幼稚園の連絡帳、小学校の通知簿 など
(通園・通学をしている場合)
発達障害の診断には乳幼児期の様子なども参考にされます。
母子手帳や育児日記、動画など、生まれてからの様子がわかる記録があれば持参しましょう。

その他、相談先や医療機関によっては、これらの他にも持ってきて欲しいものがあるかも知れません。
事前に電話をしたり、ホームページを見たりするなどして、必要な持ち物を確認しましょう。
発達障害ってなに?

「発達障害」とは、「できること」と「できないこと」の差が極端に大きく開いてしまっている障害の総称です。
大きく分けて、3つに分類されています。
- 注意欠陥多動性障害(ADHD)
→じっとしていられない、注意が散漫になる など - 自閉症スペクトラム(ASD)
→コミュニケーションが取りにくい など
(アスペルガー症候群などを含む) - 学習障害(限局性学習障害/限局性学習症,LD)
→「読む・書く・計算する・聞く・話す」ことに困難が生じる など

また、症状は個人によって異なります。
発達障害は外見からは分かりにくく、行動などに症状が現れて初めて気付かれることの多い障害です。
生まれつき脳の機能に特徴があることが原因とされていますが、まだ研究途中で、詳しくは解明されていません。
現在、治療などによる完治はできないと言われています。
赤ちゃんの様子と発達障害の関係は?
発達障害の特徴の一部は、赤ちゃんの頃(1歳頃~)から予兆として現れる場合があります。
「手がかからない赤ちゃんは発達障害かも知れない」というのは、こういったケースから言われるようになったのでしょう。
では、具体的にはどういった状態が、発達障害の予兆の可能性があるものなのでしょうか?
どういった「手がかからない」状態が発達障害のサイン?
発達障害の可能性がある赤ちゃんの様子のうち、「手がかからない」と言われるのは下記のような特徴が見られる時のようです。
【発達障害の可能性がある「手がかからない」特徴の例】
- あまり泣かない
- お母さんが傍を離れても平気
- 人見知りをしない
- 「後追い」をしない
- 一人遊びが多い
- 砂遊び・水遊びをしない
- 音・光に鈍感 など
※全ての特徴が当てはまるとは限りません。

● あまり泣かない
赤ちゃんはお母さんに要求を伝えたい時などに、泣くことで自分の気持ちを表現します。
例えば、「おなかがすいた」「遊んで欲しい」などです。
この「泣く」→「お母さんに要求を満たしてもらえる」という経験を繰り返すことでコミュニケーションを学んでいるともいわれています。
泣かない赤ちゃんは、お母さんの興味を引こうとしていない・自分からコミュニケーションを取ろう(要求を伝えよう)としていない可能性があります。
● お母さんが傍を離れても平気
● 人見知りをしない
●「後追い」をしない
赤ちゃんは成長する過程で、知らない人が目の前に現れた時に泣くようになります。
これは「家族」と「それ以外の人」の顔の区別がつくようになった証です。
自分の世話を一番にしてくれる人(お母さん)の姿を探すようになり、ハイハイや伝い歩きなどができるようになると「後追い」も始まります。
人見知りや後追いが始まると、お世話を他の人に任せにくくなったり、家事が思うようにできなくなったりしてお母さんは困ることが多くなるでしょう。
しかし、こうした行動をしない赤ちゃんもいます。
いつまで経っても人見知りや後追いをしない赤ちゃんは、顔の認識などが苦手で「家族」と「他人」を区別していないのかも知れません。
お母さんや他の家族に興味がない可能性もあります。
● 一人遊びが多い
赤ちゃんが一人遊びをすること自体は成長の一場面であり、問題はありません。
ある程度1人で遊んでくれれば家事もはかどりますよね。
しかし、長時間にわたって一人遊びしているようであれば、他人との交流に興味が無いことが原因かも知れません。
他にも、同じ遊びばかりをずっと繰り返しているなど、興味の偏りが見られる場合も同様に発達障害のサインである可能性があります。
● 砂遊び・水遊びをしない
● 音・光に鈍感
洗濯や後片付けが面倒な砂遊びや水遊びは、赤ちゃんが好まないのであればお母さんお父さんもしいてやろうとしない遊びかも知れませんね。
発達障害の種類によっては、感覚に特徴が現れることがあります。
特定の感触が苦手であったり、とても敏感(あるいは鈍感)であったりするなどです。
赤ちゃんが自ら進んで砂遊びや水遊びをやろうとしない場合は、もしかすると「感触が苦手」で砂や水に触れたがらないことが原因かも知れません。
聴覚や視覚が正常でも音や光をあまり気にしない赤ちゃんは、寝かしつけやお出かけが楽にも思えますが、これも発達障害の特徴が表に出ている可能性があります。
「手がかからない」以外の発達障害のサイン
「手がかからない」以外にも、下記のような様子が発達障害のサインである可能性があります。
【発達障害の可能性がある「手がかからない」以外の特徴の例】
- ある程度成長してからも泣きわめく・頻繁に癇癪を起こす
(2歳頃~) - 抱っこ・おんぶが不安定(しがみついてこない・抱っこを嫌がる)
- 歯磨き・爪切り・耳かき・散髪などをさせてくれない
- 限られたものしか食べない(強い偏食がある)
- 砂遊び・水遊びを過剰にやりたがる
- 音・光に敏感 など
これらの様子が見られる場合は反対に、お母さんお父さんは「手がかかる」と感じるのではないでしょうか。


極端にどちらかの様子を示すこともあるようです。
発達障害には様々な種類があり、それぞれ特徴も症状も異なります。
また、症状の現れ方にも個人差があり、その度合いも重度~軽度と個人によって異なります。

特徴が当てはまっていても、すぐには断定できない
成長には個人差がある
発達障害の特徴は1歳頃から見られ始めますが、もしお子さんの今の様子が発達障害の特徴に当てはまっていても、すぐには発達障害とは断定できないかも知れません。
子どもの成長スピードや性格には個人差があるからです。
今は人見知りが無くても、そのうち始まるかも知れません。
ハイハイができるようになっても、すぐに「後追い」には繋がらない子もいます。
母子手帳や育児書に記載されている「○ヵ月頃になったら、○○し始める」は、あくまで目安です。
ゆっくりでも確実に成長しているようなら、焦らずに見守ってあげましょう。
早産や出生時に低体重児だった赤ちゃんは成長がゆっくり?
特に早産や出生時に低体重児であった場合などは、生まれてからの成長がゆっくりになる傾向があるそうです。
周囲の子と比べて、人見知りや後追いが始まる時期も遅くなるかも知れません。
早産で生まれたお子さんであれば、「修正月齢」を成長の参考にしてみましょう。
実際に生まれた日ではなく、出産予定日を基準に月齢を数える方法です。
発達障害の予兆があればどうすればいい?

赤ちゃんに発達障害の予兆があれば、どうすればいいのでしょうか?
発達障害の特徴に様子が当てはまる場合は心配ですよね。
この項目では、様子が気になる時の相談先や、検査のタイミングなどについてお伝えします。
赤ちゃんの様子が気になる時の相談先
赤ちゃんの気になる部分や子育ての心配事は公共の窓口などで相談することができます。
お母さんお父さんの目から見て様子に違和感がある、血縁関係に発達障害があり遺伝が心配など、不安があれば相談してみて下さい。
【相談先の例】
- 市区町村の保健センター、子育て支援系の窓口
- 全国の発達障害者支援センター
- 発達相談ができる小児科
- お子さんのかかりつけの医師
- お子さんの通う保育園 など
自治体のホームページや、地域発行の情報誌にも連絡先が載っていることがあります。
本当に発達障害である確証がなくても、『不安があれば気軽に相談しても良い』と相談窓口を設けている団体もあるので、探してみましょう。

気になることがあれば、身近な医師や保健士に伝えてみましょう!
「発達障害者支援センター」は、発達障害を持つ人や児童への支援を総合的に行う専門機関です。
各関係機関や地域と連携し、発達障害を持つ本人と家族、周囲の人達からの様々な相談に応じてくれます。
↓こちらの外部リンクより、全国の相談窓口を探すことができます
【外部リンク】
発達障害情報・支援センター(厚生労働省)「相談窓口の一覧」
「赤ちゃんが手がかからない時」に気をつけたいポイント

愛着障害になるリスク
手のかからない赤ちゃんは、お母さんお父さんとのコミュニケーションの機会が少なくなってしまうかも知れません。
親子の触れ合いが少ない場合、「愛着障害」におちいってしまう恐れがあります。
愛着障害って?
「愛着障害」とは、親子の間に愛着の形成がうまくできないことによって起こる困難のことです。
「アタッチメント障害」とも呼ばれます。
愛着障害の困難は主に対人関係や社会性に現れ、大人になってからも続くことがあります。
生後~3歳頃までの乳幼児期の過ごし方に愛着障害の原因があるといわれており、親子のコミュニケーション不足も指摘されています。
【愛着障害の困難の例】
- コミュニケーションがうまくいかない
- 周囲に上手く頼れない
- 対人関係でトラブルになりやすくなる
- 感情のコントロールが苦手
- 不安になりやすくなる など

もしお子さんが発達障害では無くても、「手がかからない」状態が長く続くとコミュニケーションが不足し愛着障害におちいってしまうかも知れません。
また、発達障害に愛着障害を重ねてしまうケースもあるそうです。
コミュニケーションが苦手な特性などから「お母さんの後を追わない」「一人遊びが多い」といった行動が多くなり、愛着障害に繋がりやすいようです。
発達障害の有無に関わらず、できるだけ親子のコミュニケーションの機会を設けるようにしましょう。
赤ちゃんとのコミュニケーションが取りづらい時は
お母さんお父さんがコミュニケーションを取ろうとしても、お子さんが発達障害の特徴を持っている場合、目を合わせるなどの行為が苦手であることもあるでしょう。
交流が難しい時は、「タッチケア」もひとつの方法です。
タッチケアはスキンシップの一種で、ベビーマッサージなどが例として挙げられます。
触れ合いながらゆったりと一緒の時間を過ごしましょう。
ベビーマッサージの他にも、手遊びをしたり、一緒にお風呂に入ったり、抱きしめてあげたりするのも良いかも知れませんね。
ですが、お子さんが一人遊びに夢中になっている時は、無理にコミュニケーションを取らずに見守ってあげることも大切です。
お子さんが嫌がらない範囲で、無理をしない程度に少しずつコミュニケーションの機会を増やしていきましょう。


公共の「赤ちゃん体操」などの教室に参加してみるのも良いかも!
【赤ちゃんへのタッチケアの例】
↓お母さんお父さんも一緒に楽しんでマッサージしましょう!
参考動画:YouTube「赤ちゃんが喜ぶ手遊びタッチケア 「らららぞうきん♪」Loving Touchcare」
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↓ お子さんをひざの上などに載せてあげてもGood!

赤ちゃんの首に負担のかかる激しい動きにならないように注意して下さいね。
参考動画:YouTube「おこのみやきのうた」
しかのてつや
↓向かい合って手遊びするのもオススメです!
参考動画:YouTube「【1歳児】子どもに大人気の手遊び歌メドレー【保育園】」
【保育系YouTuber】 mocaちゃんTime
苦しい時は……:誰かに相談・カウンセリングも検討しましょう
赤ちゃんがお母さんを求めてくれないことは、お母さんにとっては寂しいですよね。
「ママに興味が無いのかな……」「全然懐いてくれないな……」と落ち込んでしまうこともあるかも知れません。
お母さんからのコミュニケーションに対して赤ちゃんの反応が返ってこないことで、母性が満たされず、精神的につらい思いをするお母さんもいらっしゃいます。
違和感に苦しむこともあるでしょう。
育児で気持ちが苦しくなる時は、誰かに相談することで気持ちが落ち着くかも知れません。
身近に相談相手がいなければ、公共の窓口(市区町村の「子育て支援」の窓口、保健センター、児童相談所など)でもこうした悩みを相談することができます。
ノイローゼを感じるほどつらい時はカウンセリングも検討しましょう。

勇気を出して周囲を頼ってみて!
まとめ
それでは、これまでの情報をまとめてみましょう。
- 「手がかからない」は、状態によっては発達障害のサインかも知れない!
- 発達障害の診断ができるようになるのは早くて2~3歳頃から!
- 発達障害の心配や不安は、公共の窓口・乳幼児健診で相談できる!
(市区町村の「子育て支援」の窓口、保健センター など) - コミュニケーション不足による愛着障害にも気をつけましょう!
- つらい気持ちがあれば、相談やカウンセリングも検討しましょう!
赤ちゃんの成長スピードや性格には個人差があるとはいえ、お子さんに発達障害の予兆があれば、お母さんお父さんはさぞ心配なことと思います。
はじめての育児であれば「赤ちゃんってこんなものなのかな……」と思いつつも、なんとなく気に掛かってしまうこともありますよね。
日頃から気になる点はメモしておいて、公共の窓口や発達相談ができる小児科、乳幼児健診のタイミングで、保健士や医師に相談してみましょう。
今しか経験できない、お子さんが日々成長していく大切な時間です!
ゆっくりでも確実に成長しているようなら、焦らずに見守ってあげて下さいね。
もっと詳しく・他の情報も知りたい方は、
こちらのサイトも参考にしてみて下さい!
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