皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「ADHD疑いがある場合」についてです。

発達障害について注目が集まるようになり「自分はADHDなのかもしれない」と疑う方が増えています。

インターネットで検索するとADHDであるかをチェックできるサイトがありますね。

実際チェックした結果、ADHDと指摘されたら不安になりませんか?

そこで今回はADHDかもしれないと疑いを持った場合にどう対処すればいいのか、そしてどういった治療法があるのかを解説します。

大竹

正しい知識を身に付けて情報に振り回されないようにしてください!

ADHDの疑いがある場合の対処法

ADHDかもしれないと疑いを持ったら、まずは気軽に無料で相談できる専門機関の相談窓口を利用するのがおすすめです。

なお子どもと大人では行くべき専門機関が異なります。

子どものADHDを相談できる機関

  • 保健センター
  • 子育て支援センター
  • 児童発達支援事業所
  • 発達障害者支援センター

大人のADHDを相談できる機関

  • 発達障害者支援センター
  • 障害者就業・生活支援センター
  • 相談支援事業所

参考元:発達障害者支援センター・一覧

知能検査や発達検査などは児童相談所にて無料で受けられる場合があります。

障害について相談することもでき、これは発達障害者支援センターでも可能です。

自宅近くに専門機関がないという場合には、電話で相談にのってもらうことのできる場合もあります。

まずはこれらの相談機関に行き、障害の疑いがある場合には専門医を相談してもらいましょう。

「ADHDかもしれない疑い」はほどほどに

インターネットで気軽にADHDかどうかの簡易診断ができるため、実際はADHDではなくても「私はADHDかもしれない」と疑う人が後を絶ちません。

ADHDと診断されるにはまず心療内科や精神科へ行き、既往歴や生活環境の聞き取りや検査を行った後、最終的に医師がADHDか否かの診断します。

ですからインターネット上の簡易チェックでADHDと結果が出たとしてもそれはADHDである証明にはなりません。

医師からの診断結果が判明するまでは、ADHDの傾向があると自覚してもADHDとは言えないのです。

安易な情報に振り回されないようにしてください。

青木

医師からの診断結果を受けて初めてADHDだとわかるんですね。

ADHDの種類

ADHDには主に3タイプの種類があります。

  • 不注意優勢型
  • 多動性・衝動性優勢型
  • 混合型

参考元:MSDマニュアル プロフェッショナル版

不注意優勢型

不注意優勢型の特徴として、「うっかりミスが多い」「勉強や遊び問わず集中力が続かない」「段取りを組むのが苦手」「忘れ物が多い」などが挙げられます。

大人になってからADHDだと診断されるタイプは不注意優勢型のタイプが多いといわれています。

学生の頃はうっかりさんや変わった人の印象で済ませられた部分が、社会人になってからは実績となって表れるため、自分の過ちに悩む方が増えているとのことです。

多動性・衝動性優勢型

多動性・衝動性優勢型の特徴は「じっとしていられない」「順番を待てない」「多弁になる」「座っていても手足を動かす」などがあります。

多動性・衝動性優勢型は成人になるにつれ症状が治まる人もいるようです。

混合型

不注意優勢型と多動性・衝動性優勢型が混合するパターンです。

ADHDについて詳細に解説している記事があるので、よろしければあわせてご覧ください。

ADHDの治療方法

ADHDを根本的に治療することはできません。

ただ、ADHDによって生じる困難を乗りこえる方法を学ぶ教育・療育や、ADHDの症状を緩和する治療薬は存在しています。

また環境の調整や周囲の理解、対応によってADHDの人が生きやすい社会にすることも可能です。

療育による治療

療育とは、社会的自立を目標としたスキルの習得や環境を整えるアプローチのことです。

ソーシャルスキルトレーニング、ペアレントトレーニング、環境調整といった手法が一般的で、苦手とする行動を調整したり、適応的な行動や得意な部分を磨くことができます。

薬物療法

ADHDの治療には薬物療法が役立てられることもあります。

ADHDの治療薬には不注意・多動性・衝動性の症状を緩和する効果があり、服用している間のみ効果が期待できます。

また、薬の効き方と副作用は個人差があります。

ADHDの治療薬は主に、ストラテラ(正式名アトモキセチン)や、コンサータ(正式名メチルフェニデート)の2種類です。

副作用の問題もあるため、医師と相談しながら適切な服用をする必要があります。

ADHDの二次障害

以前は子どものADHDは時間経過とともに薄れるものとして楽観視されていました。

しかし、適切なサポートがなかった場合、子どものADHDは二次障害を引き起こすことがあります。

二次障害とは、ADHDの主症状とは違う症状や状態を引き起こしてしまうことです。

具体的には以下のような症状が見られます。

  • うつ病
  • 後遺障害
  • 不安障害
  • 反抗挑戦性障害
  • 不登校やひきこもり
  • アルコールなどの依存症

また、子どものADHDにおいては、親が周囲の対応に追われて子どものケアを十分に行えないことがあります。

そのため、心理的なサポートが必要となるでしょう。

発達障害の人が受けられる支援

発達障害で知的障害がある場合には、療育手帳を取得できます。

自治体によって詳細や取得方法、受けられるサービスや給付などは異なります。

療育手帳とは

児童相談所や知的障害者更生相談所で「知的障害あり」と判定された方に交付される手帳です。

交付されると各自治体や民間事業者が提供するサービスや法律に基づく障害福祉サービスを受けられます。

参考元:障害者手帳|厚生労働省

また、知的障害がない場合でも精神疾患により長期の間日常生活や社会生活への制約のある人を対象とした「精神障害者保健福祉手帳」を申請が可能です。

精神障害者保健福祉手帳とは

「一定程度の精神障害状態」と認められた場合に交付されます。

精神疾患の状態と能力障害の状態両面を総合的に判断し、1級から3級まで等級が定められています。

参考元:障害者手帳|厚生労働省

手帳がなくても受けられるサービスとして「児童発達支援」「放課後等デイサービス」があり、障害福祉サービスや自立支援医療の給付を受けることが可能です。

児童発達支援とは

障害のある未就学生(0歳~6歳)を対象にした障害福祉サービスで、集団および個別療育を行います。

幼稚園や小学校への入学へ向けて集団生活に適応できるよう訓練したり、日常生活で必要な基本動作や知識、技術を習得するためのサポートをします。

障害者手帳や医師の診断は必要なく、療育が必要だと判断されれば自治体から「障害児通所受給者証」支給され通所が可能になります。

放課後等デイサービスについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。

まとめ

今回はADHDの疑いがある場合についての対処法と治療方法をお伝えしました。

ADHDに根本的な治療方法はありません。しかし生活環境を整え、工夫をすることで症状を抑えられます。

ADHDはあなたの特性ですから、特性に負けず自分の得意な部分を見つけ自己肯定感を高めてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。