皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害 スマホ依存」についてです。
スマホは近年普及し、SNSや動画などがスピーディーに楽しめる端末として親しまれています。
しかし、スマホはその便利で多様な機能からスマホ依存症へとつながりやすい機器でもあります。
さらに発達障害には依存症へとつながりやすい理由があります。
今回は、依存症の定義や発達障害とスマホ依存の関係について解説しました。
目次
依存症とは?言葉の定義を再確認しよう
世の中にはアルコール依存やギャンブル依存症など様々な依存症の種類がありますが、以下の3つに分類することができます。
依存症の3つの分類
人への依存
この人がいないと生きていけないと感じる、などの症状です。特定の人物やグループへの依存が激しい場合です。
物への依存
アルコールや煙草などへの依存がこれに当たります。
行動への依存
ギャンブルやインターネットへの依存がこれに当たります。
依存症の定義
上記の3つの状態を見て、多かれ少なかれ自分にも当てはまると思った方も多いのではないでしょうか。
しかし、依存症と診断されるには、「それが無いと不安になり日常生活に支障をきたす状態であること」が必要です。
つまり、自身では欲求をコントロールできず、生活サイクルが狂ったり、金銭的な出費がかさんで生活できなくなったりする状態を指します。
スマホ依存が難しい理由
難しいのは、スマホは幅広い依存症を作ることです。
SNSを通して人間関係の依存症となる場合もありますし、動画やゲームなどの行動への依存症となる場合もあります。
そのあたりは見極める必要があるでしょう。
ADHDやASDでは依存症になりやすい!
通常、発達障害がある方は依存症になりやすいと言われています。
ADHD、ASDと依存症の特徴
人間関係が背景に
ADHDでは依存症を併存する確率が通常の3倍ほど高いと言われています。
またADHDほどでないですが、ASDでも併存しやすいと言われています。
これは発達障害の方が人間関係などでストレスを抱え込みやすく、ストレス解消や現実逃避手段として依存症になりやすいという背景が大きいと言われています。
高IQに多い
さらに意外なことにIQが100より高い人で依存症になりやすいようです。
IQが高いと社会に出ておられる方が多い分ストレスを抱え込みやすいことが理由として挙げられています。
発達障害の脳の特徴からみるスマホ依存症になりやすい理由
脳全体の活性
発達障害の方、特にADHDの方は脳全体の活性が低いと言われています。
なので、スマホなどの刺激が強いものに触れると快楽物質であるドーパミンが出やすく、ついその刺激を求めてしまうといった理由があります。
衝動性の高さ
前頭葉の働きが弱いと衝動性が高くなりやすく、ふとスマホを触りたくなった時に我慢ができないという症状が出やすくなります。
発達障害の方は衝動性が高いことも指摘されています。
スマホ依存の対処法
では実際にどうやってこれらを解決していくのか、いかに対処法を挙げます。
自分の状態を客観視しよう!
行動記録
まず自分の行動記録を作り、その中でスマホを使用する時間を確認します。
時間で示すと案外、そんなに使っていないと思っていたということが多いです。
スマホを触りたくなる時を把握する
行動記録からスマホを触ってしまう時、自分が何をしている時か、何を考えている時か、どういう感情の時なのかを把握しておくことが大切です。
要はそういう時に先回りしてスマホを触れないように行動なり環境なりを整えていくことになるからです。
スマホの長時間利用によるデメリットを理解する
夜中にスマホの使い過ぎで寝不足になり、授業に集中できなかったり、成績が落ちたりします。
また遅刻や不登校につながっていることもあるでしょう。
しっかり理解できる子供さんであれば、これらの問題をしっかり親子で話し合い、状況の改善に向かうことが大切です。できれば怒らずに、お互いを思いやって話し合えると良いですね。
環境設定をしよう!
スマホの使用制限を利用する
現在iOSであれば特定のゲームの使用時間を表示出来たり、アプリの使用時間の制限をかけたりすることができます。せっかくの機能なので積極的に利用していきましょう。
寝る場所にはスマホは持ち込まない
難しいかもしれませんが、これができれば睡眠が確保しやすくなります。
なので睡眠不足が原因で生じること、日中の眠気、イライラ、精神的な不安などが解消されやすくなります。
代替手段を考えよう!
人間関係での依存であれば気の合う友人と電話で一定時間話すことを協力してもらうことが良いでしょう。
またゲームや動画などであれば漫画や小説で代替できるかもしれません。
自己効力感を高めよう!
スモールステップで
自分はやればできるんだという感覚が生まれれば、依存症に対しても前向きに取り組めるようになることが考えられます。
そのためには成功体験を積み重ねなければなりません。
ここで、大切なのは、スモールステップで焦らずにやっていくことです。
5秒間だけ我慢する
おすすめなのは、スマホが触りたくなった時、5秒間我慢することです。
ここから徐々に時間を増やしていきましょう。
最初は5秒で良いと思えると気も楽になるものです。
そして、できればしっかり褒めてあげましょう。
無理せず医療機関などに相談しよう!
手段としては以上になりますが、もちろん限界もありますし、すでに生活が破綻しておりどうしようもないという方もおられるでしょう。
親御さんが一人で抱え込む必要はありません。
そういう場合は無理せず、医療機関などに相談しましょう。
以下の動画ではADHDの依存症と対処法について解説しています。是非ご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。まとめると
- 依存症は人・物・行動への依存の3種類に分けられる
- 発達障害では周囲のストレスや脳の特徴から依存症になりやすい
- 行動記録や環境設定などで少しずつ依存状態から抜け出せればOK、そうでない場合は無理せず医療機関などに相談しましょう。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。