今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させて頂きます。 今日のトピックは「発達障害・生きづらい」についてです。
「自分は発達障害ではないかな?」と大人になり仕事に就いてから気づく方がいます。
子供の頃では、友達をなぜかよく怒らせてしまう、忘れ物が多いなど、自分では十分気を付けていても改善しないことがあって、漠然と「自分が悪いんだ」と責め続けながら成長することもあります。
このようなことが起こっても、ご家族ましてや当事者は子供ですのですぐに“発達障害では?”と結びつけることは難しく、本人だけでなくご家族が“子供の努力不足”として捉えることでお互いが苦しい思いをすることにつながります。
それが生きづらいと感じることになります。
発達障害は生まれつきあるもので、育て方が原因ではないと言われています。子供の頃から早めに具体的なサポートを行い、それを継続すれば発達障害の特性が和らぐ可能性があります。
目次
発達障害の特性や示す困難さ
発達障害は、大きく3つに分類することができます。それぞれの障害は併存してることも珍しくなく、複数の障害を抱えてしまうことで、その負担は大きくなるのです。
発達障害の特性をご紹介します。
自閉症スペクトラム(ASD)
自閉症やアスペルガー症候群(AS)、広汎性発達障害を含む先天的な発達障害を指します。
・会話のやりとりが難しい
・共感性に乏しい(相手の考えや気持ちを分かち合うなど)
・人の気持ちを想像することが難しい
・友達をつくることが難しい、または興味をもてない
・しぐさと言葉が合ってない
・興味のあるないで得意不得意の凸凹に大きな差がある
・同じパターンの方が安心・得意
・不測の事態に弱くパニックを起こすこともある など
注意欠陥性多動性障害(ADHD)
衝動性・多動性が目立つタイプ、注意欠陥タイプ、これらのタイプの混合タイプの方もおられます。現代ではADHDに効果のみられる内服治療も進んでおります。
・ソワソワとして落ち着かないように見える
・人の話を聞くよりも自分の喋りたいことを喋りすぎる
・会話の中で相手の質問が終わる前に答えてしまう
・気をつけていても忘れ物が多い
・刺激に敏感。自分の感じたままに反応してしまうことでトラブルを起こしてしまうことがある など
学習障害(LD)
特定の学習に支障のでるものを学習障害といいます。文字の読み書きが難しい、計算が難しいなど、人によって症状は様々です。子供時代に読み書きが苦手だった場合は大人になってから手書きのメモをとれないということに支障がでる方もいます。
・行や文字を飛ばして読む、繰り返し読む
・文脈の理解が困難
・文字を書き写すことが困難
・繰り上がり計算が苦手
・聞く、話す、推論することが苦手 など
なぜ発達障害の子は生まれるの?
先に発達障害の特性を挙げましたが、そもそも発達障害の子はなぜ生まれるのか?ということについて気なられるのではと思います。以下の記事をご参照下さい。
子供の発達障害による“生きづらさ”を心配した時の相談窓口は?
先ほど挙げた発達障害の特徴。程度にもよりますが生きていく上で、社会やそこでの集団生活に関わらなければ支障が出ない可能性は考えられます。
そうは言っても、社会と関わらずして生きていくのは難しいですよね。家族と一緒に暮らしている時点で、家族という“小さな社会”に属しています。
相談のきっかけとなるものは?
相談窓口のお話の前に、相談のきっかけとなることを挙げます。
- 地域で行われる1歳半・3歳時の乳幼児健康診査
- 小学校の就学前健康診断
- 保育園や幼稚園の先生からの情報
- 小学校の先生からの情報
- 家族の意見、感覚
- 本人の訴え
この中で特に“本人の訴え”は「子供の言うことだから」とうまくキャッチしてもらえないことがあります。身近にいる家族がその声をキャッチして健診の場や学校の先生に“話してみる”のも良いでしょう。
健診の際には保健師が健診の最後に総合的に見た所見をコメントしてくれることがあります。また、医師の診察もあり診察を行いますが、発達のことで気になることがあれば遠慮なく質問をしてみて下さい。どんなことでも良いのです。
相談できるところ
発達障害のきっかけとして挙げた、健診・保育園や幼稚園などの先生・家族も相談でき頼れる存在です。
それ以外にはどんな相談窓口があるでしょう?窓口と申し込みの際の注意点や特徴などをご紹介します。
発達障害の専門外来・クリニック
最近になって各市町村にまでとは言えませんが専門外来・クリニックが増えています。ですがまだ数は少ない為、初診の予約可能な時期が1ヶ月以上先という状況が生じている所が多いです。
診察の流れの一例をご紹介します。
電話予約診察前の情報の聞き取り診察による情報の聞き取りや診断・治療方針や薬の処方がある場合はその説明・必要時に心電図や採血尿検査、心理検査の説明と予約という流れになることが多いです。
- 電話予約:予約時に相談したいことなどを質問されることもあります。※診察までに、気になること・今まであったことを時系列で可能な限りまとめておかれると診察がスムーズに受けられます。
- 診察:保険証をお忘れなく。次回診察予定や場合によって薬の処方や心理検査の指示がでます。※病院スタッフの忙しさや診察時間枠を気にする方も多いのですが、分からないことは遠慮なく聞いて下さい。
- 検査(ケースによります):採血・心電図など
- お支払い
※2の診察時に質問できなかったことは、3や4で看護師や事務スタッフ、病院によっては精神保健福祉士が在籍しているのでそこで尋ねてみるのも良いでしょう。(例えばお薬や検査について、公的な支援制度について)
かかりつけ医
小児科医・内科医などのかかりつけ医に、まずは相談してみるのも良いでしょう。体や気分の不調・成長の遅れなどの要因が内科的要因ではないことをクリアにしてから受診や診断の近道になることもあります。
医師の判断で必要に応じて紹介状を発行されます。紹介状には相談内容・小児科や内科での見立てや検査結果などが記載されますので、適切に心療内科・精神科医師に情報が伝わり易くなる可能性が高くなります。
市区町村保健センター/障害福祉課
保健センターには1歳半・3歳児健診で訪れたことがある方が多いのではないでしょうか。お住まいの市区町村内にある保健センターが管轄になります。
発達や言葉などに関する悩みを聞いてくれる発達相談も行っています。相談の際は電話で問い合わせされることをお勧めします。
子供や高校生、大人の発達障害の相談も受け付けています。
障害福祉課では、社会資源の案内や福祉サービスを受ける為の手続きや相談を行っています。
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、保健・教育などの関連機関と協力しながら発達障害の方の支援を行う施設です。
相談・発達・就労など専門的に支援してくれます。
相談した内容を育児に活かしてみましょう
どの親御さんも、思い思いの接し方や教育の仕方で育児されていることでしょう。それが子供さんの個性を伸ばしその子らしさの形成に反映されます。
その部分を大切にしながらも、発達障害について相談され助言してもらった内容を活かしてみましょう。全てを取り入れなくても、一部だけでも良いのです。
そうすることで、新たな子供さんの側面を見ることができ進路を考える上で選択肢が増えるきっかけとなります。
また、子供さんの発達について心配していた親御さんの心的負担の軽減にもつながります。
そうすると、育児の仕方に変化がでることで子供さんに安心感をもたらし情緒安定を図れ子供さんの良いところや得意分野が伸び、不得意をカバーできる可能性も期待できます。
各機関で受けられる助言は一般的なものであることもあります。
そこで、普段からよく接している親御さんが子供さんの特徴や個性に応じて、助言をどのように具現化するかを踏み込んで質問されることをお勧めします。
「今、助言頂いたことをうちの子に取り入れるとしたら、具体的にはどのような方法があるか教えて頂けないでしょうか?」
といった感じにです。
宜しければこの言葉を用いて、各機関でご相談してみられてはと思います。
まとめ
発達障害によって生きづらいという感覚は、大人になるまでの過程や大人になってから影響が表れ易くなり本人を苦しめるものとなる可能性が高くなります。
子供の頃に親御さんがそのサインをキャッチし、親御さんと第三者の力を借りながら育児をすることで親御さんの安心感につながり、子供さんの能力の高められる可能性があります。
そうすることで、発達障害やその可能性のある子供さんの生きづらいという感覚が軽くなる可能性につながります。
現在、子供さんの発達に心配のある方はまずは関連機関に話してみてはいかがでしょう。