皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害者が自動車免許を取得することについて」です。

「発達障害があるから、車の免許を取れない…」と悩み、免許取得を諦めていませんか?
車に乗れることで行動範囲が広がったり、仕事で役に立ったりと、メリットはたくさんあります。

今回は「発達障害でも自転車免許を取得できるのか?」という疑問や、挑戦する際に注意したい点や発達障害者向けの教習所についてまとめました。

発達障害が車の免許を取れるかは障害の度合いによる

自動車免許取得にあたり、発達障害という理由で試験を受けられないといった条件はありません
ただし、重度の発達障害により身体的影響があると、適性試験通過が難しいと予測されます。

以下は東京都で運転免許を取得する例です。身体的影響があると免許が取得できなかったり、一定期間免停になったりする場合があります。

自動車等の運転に支障のある方は、症状によっては運転免許が取得できなかったり、一定期間取消されたりする場合があります。

一定の病気等に該当する方の受験、適性相談|警視庁
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大竹
特性にもよりますが、重度の場合は難しいようですね。

発達障害の特性

発達障害は大きく分けて3つの特性あり、複数の特性を併せ持つ人も見受けられます。

  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • ADHD(注意欠如・多動症)
  • 学習障害(限局性学習症、LD)

参考元:発達障害|e-ヘルスネット(厚生労働省)

それぞれの特性については別途記事を用意していますので、興味があればご覧ください。

運転に向いていない発達障害の度合い

あちこちに注意が向き気を取られる傾向の強いADHDの人でも、免許を取得して普段から運転している人はたくさんいます。
しかし「不注意」の特性が強すぎる場合は、車の運転は危険が大きいと考えてください。

【注意が散漫になりがちな危険行動】

  • 運転中にスマホ操作または通話
  • 特定の看板や建物や自然が気になり、何秒か集中して見てしまう
  • 右折や左折する時、前方に気をとられ、歩行者や自転車に気づかない
  • 眠気があるのに勢いで運転を続けてしまう
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青木
発達障害でも、一人ひとり度合いが違います。
教習所では適性検査があるので、向き不向きをしっかり把握してくださいね。

発達障害の自動車免許の取得につまずきやすい点

発達障害の方が免許取得にあたりつまずきやすい点は何でしょうか?いくつか事例を挙げてみます。

自閉スペクトラム症(ASD)の場合

自閉スペクトラム症(ASD)傾向の強い人は、臨機応変な対応が苦手な事やこだわりが強い部分が出ると危険な場面があります。

  • その場の融通がききづらく、どんな時でも法定速度やルールを守る
  • カーナビの声や進路に戸惑う
  • 想像が苦手で先の見通しをしづらい
  • 勢いで進むことが多い
  • 加集中になり視野が狭くなりやすい

ADHD(注意欠如・多動症)の場合

ADHD(注意欠如・多動症)傾向の強い人は、注意力が散漫になったり、勢いでアクセルを踏んでしまったりと衝動的な行動で事故を起こす危険があります。

  • わき見運転で注意力散漫になりやすい
  • 想像が苦手で先の見通しをしづらい
  • 信号や標識を見落としやすい
  • 勢いで進むことが多い

学習障害(限局性学習症、LD)の場合

学習障害(限局性学習症、LD)傾向の強い人は、運転そのものよりも、学科でつまずきやすいでしょう。

  • 運転そのものより学科で合格点に至らない
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大竹
診断名が同じでも一人ひとり苦手な事や度合いが違うので、一概にはいえません。

発達障害のジン(@jin9407)さんの動画では、発達障害の特性による運転の難しい点について語られています。

公益財団法人タカタ財団では、自閉スペクトラム症(ASD)や自閉スペクトラム症(ASD)の傾向が高いドライバーの運転特性の解明に力を注いでいます。

発達障害傾向のあるドライバーが運転場面でどのような問題が生じるのか、それはドライバーのどのような特性に起因するのかなどを明らかにすることによって、発達障害傾向のあるドライバーの事故を防ぐためにどのような運転教育を行えばよいのかを見出していくことができると考えています。

『発達障害傾向のあるドライバーの運転特性の解明』概要

車の免許を取るメリット4選

自動車免許を取得するメリットをお伝えします。「このメリットを得たい!」と思った方は、是非チャレンジを検討してみてくださいね。

身分証明書になる

日本における身分証明書といえば一番に挙げられるのが「自動車免許」です。
パスポートやマイナンバーカードがあるにもかかわらず、自動車免許を差し出せば相手は判断しやすい慣習になっている背景があります。

取得資格のアピールになる

面接をする側からすれば資格欄に自動車免許を書かれていると「この人は車が運転できるのだな」と安心できます。
自動車免許は、相手を安心させる材料の一つとなりえるのです。

仕事の幅が広がる

発達障害の方は集団行動が苦手な割合が大きいので一人で完結できる作業が向いています。例えば配達業務は一人で行動する場合が多いですね。
自動車免許を取得することで配達業務の道が得られるのは大きなメリットといえるでしょう。

公共機関の時間に縛られない

免許を取得し自動車運転ができると、バスや電車の都合に巻き込まれずに済みます
設備が不十分な公共機関を避けられるため大きなメリットといえますね。

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大竹
田舎ほど車に乗れる方が便利ですよね。

車を運転する前に知っておいた方が良いこと

無事に車の免許を取り、車を購入し、いざ出発!となる前に、知っておくと役立つ情報をお伝えします。

教習所と実際の公道は違うことがある

教習所で身に付けた技術や法律の知識は守るべきものですが、限られた空間の教習所と公道とでは、同じ道路交通法の元でも勝手が異なります。

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大竹
「車に乗る=命に関わる」を意味します。道路交通法は車に乗る人、道を歩く人の命を守るための法律です。

教習所で習った通りに運転したとしても、運転ルールを忘れたり、警察が見ていない限り良いだろうと思ってルールを破る人がいます。

自分のことしか考えていない状態の一例を見てみましょう。

【ルールを破る人の危険な運転一例】

  • 法定速度を守らずスピードを出しすぎる
  • ウインカーを出し忘れ、急に曲がる
  • 不要な急ブレーキを踏む
  • 車間距離を十分にとらない
  • 黄信号、赤信号でも躊躇なく進む

以上のような場面は全国どこでも見受けられます。
自分がルールを守って運転していても、ルールを守らない人に巻き込まれる可能性はあると認識しておきましょう。

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青木
自分を守るために、臨機応変でスピーディな対応が必要になってきます。

車には維持費がかかる

【車の維持費一例】

  • ガソリン代
  • 駐車場代
  • 自動車税
  • 車検・点検・整備費用
  • 任意の自動車保険

参考元:車の維持費ってどの位!?節約するための3つのポイント|チューリッヒ保険会社

車を所持するには車代に加え、毎年維持費がかかるのがネックです。
参考元のチューリッヒ保険会社によると、維持費は年間22.5万円程度かかると想定しています。

普段の生活費に加え「車の維持費を捻出できるか」が、車を維持するか否かの境界線かもしれません。

発達障害者向けの教習所

発達障害向けの自動車学校とは一体どのような教習所なのでしょうか?
また、発達障害者向け以外の教習所では免許を取れないのでしょうか?一つずつ確認していきましょう。

発達障害者サポートのある教習所

発達障害の人に向けたサポートが充実している教習所は、栃木県にある鹿沼自動車教習所です。

鹿沼自動車教習所では、発達障害についての知識や理解のある職員が対応されています。

例えば学科教習ではコーディネーター(サポート職員)が教室の後ろで待機をします。発達障害者の方が授業についていけるよう、とまどっているようなら声をかけ、一緒に授業を進める場合もああります。

技能講習では後方席に同乗し、指導員のアドバイスを紙にまとめ、教習後に渡してくれるため、視覚的に確認できる点が魅力です。

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青木
発達障害の人は特に、担当の先生との相性も大きいようですね。

上記のような発達障害者向けサポートが未整備な教習所も点在しています。
「サポートが十分ではないのなら、なるべく長居はしたくない・・・」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

そんなあなたに「合宿」という泊まり込みで自動車免許を取得するプランをお伝えします。
合宿で免許を取るメリットとデメリットを比べてみて、自分に向いているか検討してみましょう。

合宿を選ぶメリット

  • 短期集中で免許が取れる
  • 費用を抑えられる
  • スケジュールが決められるので管理する必要がない
  • 友達同士で参加できる
  • 友達や知り合った仲間と、教え合ったり励まし合える

費用と日数が大幅に削減でき、同じ目的を持った仲間がいることでモチベーション向上が期待できます。
発達障害の方でも他人と一緒で構わない人は、メリットの恩恵を受けるでしょう。

合宿を選んで生じるデメリット

  • 長期休みが必要
  • 住んでいる地域と道路状況が違う
  • 集団行動が多く協調性が必要
  • 試験に不合格になる度に費用と日数が増える

地元ではないので道を覚えたり土地勘を理解するのに苦労するかもしれません。
そして集団行動が苦手な方や、学習障害をお持ちの方はテストが進まず、余計な費用と日数がかかってしまうかもしれません。

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大竹
大学生などは夏休みを利用して合宿を選ぶ人がいますね。
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青木
自分に合うかどうか、参考にしてみてくださいね。

免許を取るかどうかは、挑戦してみてから考えても良い

「自動車学校へ行けば、必ず免許が取れる」わけではありません。

「思ったよりも大丈夫そうだ」と思うか「自分は運転しない方が良いかもしれない」と思うかは、やってみないと分かりません。

光武オーナーさんによる以下の動画では「自分は発達障害ゆえに免許が取れない」ではなく「自分がどうするか選択する」ことの大切さを語られています。

車の免許の取得は、早い人で18歳になってすぐに教習所へ通う人や、大学生のうちに取る人が多く見受けられます。しかし、車の免許は「絶対に必要なものではない」です。

恐いから免許を取らないという人もいますし、免許を取ったものの実際には運転しないペーパードライバーもたくさんいます。

車の免許は絶対に必要ではありませんが、田舎に行けば行くほど車に乗れないと不便なことは事実です。
車に乗らない・乗れないのであれば、電車や地下鉄やバスなどの公共交通機関が充実している地域に住むことをおすすめします。

まとめ

今回は「発達障害で車の免許を取るか迷っている人」へお伝えしました。

車の運転には、命の危険がついてくることを忘れてはいけません。
一方で、好きな所へ行けたり、電車の時間に縛られない良いこともたくさんあります。

迷った時は、十分に考えてみてください。
個人的には、誰もが安全に早く移動できる「自動運転車」が、早く一般的になってほしいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。