皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害ライフハック」についてです。

発達障害の「苦手」に対して、努力だけでなんとかしようとしても、難しい場合があります。

そのような時に役に立つのが、生活の中の小さな工夫、ライフハックです。

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青木
参考のために、皆さんがどんな工夫をしているのか知りたいですね。
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大竹
他の人の工夫がそのまま使えるとは限りませんが、考え方のポイントを知ることで応用ができますね。

今回は、発達障害のライフハックの具体例を紹介しながら、自分に合わせてアレンジできるよう、考え方のポイントもお伝えします。

発達障害に役立つライフハックの具体例

ライフハックとは

最近ではSNSなどでも「ライフハック」という言葉をよく見かけますが、そもそもどのような意味でしょうか。

直訳すると「ライフ=人生」「ハック=術」となり、いかに作業を簡便かつ効率よく行うかを主眼とした仕事術、人生術という意味が浸透しているようです。

発達や感覚の凸凹は人それぞれなので、他の人と同じライフハックがそのまま使えるとは限りません。

自分の「得意」や「苦手」の特性を知ったうえで、自分に合ったライフハックを考える必要があります。

それでは、まず生活の各場面において、発達障害の「苦手」に対してどのようなライフハックがあるか、具体例を見ていきましょう。

コミュニケーション編

会話全般が苦手

発達障害のある人の中には、 その場の状況に合わせたり、暗黙のルールや曖昧な表現の理解が難しく、コミュニケーション全般に苦手意識を持っている人がいます。

無理に合わせると疲れてしまうこともあるので、無理なく会話に参加し、時には休むことも考えてみましょう。

  • 口頭で伝える手段だけでなく、自分の得意な方法も用いる。
    (文章、図解、イラストなど)
  • 無理に話そうとせず、聞き手にまわる。
  • 天候や最近の出来事やニュースなど、話せる題材を準備しておく。
  • 疲れた時はトイレなどを理由に一旦離れて休憩する。

その場に応じた言い回しができない

発達障害のある人の中には、その場の状況に合わせて適切な言い回しをすることが苦手な人がいます。

はじめにどう話しかけてよいか、どう話を切り上げたら良いかなど、分からない場合もあります。

また、目上の先生などに対して言葉遣いが適切でない場合もありますが、実は本人もどう言ったら良いか分からずに、困っているのかもしれません。

そのような場合は、状況に合わせた会話の仕方をマニュアル化してみましょう

  • その場に応じた受け答えをマニュアルとして憶える。
  • 「今、話しても大丈夫ですか?」など、相手の状況を確認してから会話を始める。
  • 「考える時間が欲しいので、別の機会に話しをさせてください」など伝え、考えをまとめる時間を作る。
  • 「空気を読むことが苦手で、キツイ印象を与えることがあるかもしれない」など、事前に伝えておく。
  • お願いする時や断る時にクッション言葉を使う。
    (依頼や断り、反論等する際に使用する)

クッション言葉とは、話の本題に入る前に一言添えることで、相手への気遣いを示す言葉のことです。

依頼や断り、反論などする場面で使いますが、クッション言葉を使うことで、相手を尊重する気持ちを表すことができます。

例えば、依頼する際は 「恐縮ですが」 「ご迷惑とは存じますが」 、断る際は 「あいにく」「残念なのですが」など。

こちらの方も、気の利いた言い回しをマニュアルとして憶えているようです。

うっかり編

忘れ物が多い、物を置き忘れる

発達障害のある人の中には、忘れ物をしたり、物を置き忘れることが頻繁な人がいます。

できるだけ荷物は1つにまとめたり、持ち物リストを作りましょう。意外と必要なものを把握できていないこともあるため、見直すきっかけにもなります。

  • 手荷物は1つのバッグにまとめるなど、持ち物を少なくする。
  • 鍵や財布などは、紐でバッグと繋いでおく。
  • いつも持って行くものは「持ち物リスト」に書いておく。
  • ポケットの多いバッグやバッグインバッグを活用し、何をどこに入れるか決めておく。

手荷物を減らしたり、物を入れる場所を決めておくことで、確認作業が簡単になり把握しやすくなります

大事な予定を忘れる、遅刻する

大事な用事を忘れてしまうと、周囲の人から「嘘つき」などと誤解されるかもしれません。あまり失敗が多いと、自分自身の自己肯定感も低くなってしまいます。

自分で注意しようと思っても難しいこともありますので、手帳やスマートフォンのアプリを活用するなど、忘れない仕組みを作りましょう

  • 手帳や掲示板、スマートフォンのリマインダーアプリなど、情報を1つにまとめる。
  • 夜中にやっていた好きなことを、朝起きてから行うようにする。
  • 遅刻しない生活のルールを決めたり、家族の声掛けなど協力をお願いする。

こちらの「リマインくん」は、LINEの友達追加をすることで利用できます。「何を、いつ知らせてほしいか」伝えておくと、その日時に知らせてくれます。

登録はこちらから。

出典:リマインくん

こちらの方は、やるべきことを書き出し「見える化」しています。
手帳ではなくいつも見る場所に貼ることで、メモしたこと自体を忘れることを防ぎ、作業中に他のことに脱線しても修正する効果が期待できます。

感覚過敏編

発達障害のある人の中には、感覚の凸凹が見られることがあり、中でも感覚を過敏に受け取ってしまう「感覚過敏」の症例が多く見られます。
視覚や聴覚など、どの刺激を過敏に受け取るかは人によって違います。

苦手な環境に我慢していると、疲れて頭痛やめまいを起こすこともあります。普段の生活では無理せず刺激を避けることが必要です。

視覚過敏

苦手な視覚刺激は人によって違いますが、疲労など体調によっても影響されることがあります。

  • サングラスや偏光メガネ、帽子などを使用する。
  • 白い紙がまぶしい際は、色付きの透明下敷きや定規を使用する。
  • パソコンやスマートフォンの輝度や彩度を下げる。
  • 照明の影響を受けない席にしてもらう。

聴覚過敏

聴覚の過敏性は脳の特性によるものですが、苦手な音は人それぞれで、またその時の体調などによって変わることがあります。

無理に我慢せず、音を遮断する方法を考えましょう。
席の移動など環境調整するには、周囲の理解を得ることも必要です。

  • 耳栓やイヤーマフ、ノイズキャンセリングイヤホン・ヘッドフォンなど、その場の状況や体調に合わせて使用する。
  • 静かな場所に席を移動させてもらう。
  • 辛くなった時に、クールダウンできる場所を作っておく。

周囲の音が気になり、テレビの音が聞こえにくい

聴覚過敏のお子さんは、テレビなど見ていても洗濯機や家事の音、外の騒音など、いろいろな音を拾ってしまい、テレビなど本当に聞きたい音に集中できないことがあります。

こちらのTwitterでは、ワイヤレスイヤホンを使用したり、テレビを字幕付きで見る方法が紹介されています。

Twitterでも紹介されているように、最近ではBluetoothに対応していない機器でも、イヤホンやヘッドホン、スピーカーなどに送信することができる送受信機器が販売されています。

こちらはクリップ付きですので、ワイヤー付イヤホンを使用する際に便利です。

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こちらは本体が18gと軽量タイプです。

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計画・調整編

計画倒れ

発達障害の人の中には、見通しを立てることや時間を見積もることが苦手な人がいます。そのため、「計画を立てたがうまくいかない」ということが多いようです。

時間配分や予測が苦手なこともあり、この「予測した時間」と「実際かかる時間」にズレがあることに、本人も気づいていない場合があります。

そのため、計画を考える際はこれまでの行動パターンや実際にかかっている時間を元に、計画を立てた方が実現しやすいようです。

  • これまでの行動パターンを見直し、それを元に計画を考える。
  • 食事や入浴、目的の作業にどれくらい時間がかかっているか、予測と実際の時間のズレを確認する。
  • 計画し、実行し、必要に応じて修正する。

自ら計画し、実行し、必要に応じて修正することは、自己管理や自立の練習にも繋がります。

集中しすぎる

集中して頑張りすぎる傾向があると、身体的にも精神的にも疲れてしまうことがあります。身体や心の疲れに自ら気付きにくい人もいるようです。

また過度に集中した後は全く集中できなくなる、1つのことに集中すると他のことに気が回らなくなるなど、注意や集中にムラがありコントロールできないことがあります。

このような場合は、好きなことに集中していても、適度に休みを取るようなルールを作りましょう

  • 作業を始める前にタイマーをセットし、一定時間作業したら休憩する。
  • 食事や睡眠の時間は守るなど、一定のルールを決めておく。
  • 普段から仕事や予定を詰め込み過ぎないようにする。

その他

片付けができない、どこに片づけたか分からなくなる

発達障害のある人の中には、片付けや整理整頓が極端に苦手な人がいます。

片付け中に色々な物が出てきて注意が逸れてしまったり、片付けた後も何をどこに直したか分からなくなることがあります。

また一気に片づけようとして普段は全く片づけないなど、極端な例もあるようです。

  • 持ち物を減らす。
  • 床に物を置いたり出しっぱなしにしない。
  • 置くものの場所を決め、ラベルなど貼る。
  • 完璧を目指さず、できるところは省略する。
  • 一時置き場のボックスを用意し、床には物を置かないようにする。

完璧を目指さず、一時置き場を作るなどして、無理なく片づける習慣を作っていくことが大切です

こちらの動画では、ハンガーに服を干し、乾いたらそのまま収納するなど、無理なく続けられる収納法が紹介されています。

こちらのTwitterでは、収納するものを一旦すべて写真に撮る方法などが紹介されています。
このような「見える化」も、有効な手段です。

また、スマートフォンや本など作業の脱線の原因になる物は別の所に置き、注意がそれることを防止しているようです。

イライラするなど、気持ちが安定しない

なんだか気持ちが不安になったりイライラしたり、自分でもどんな気持ちだか分からなくなることがあります。

ストレスやイライラを無理に抑えようとするのではなく、その気持ちに早めに気づき、クールダウンすることが大切です

このような場合は、お子さんが落ち着ける法則を作っておきましょう。
刺激が少ない落ち着ける場所、触ると落ち着ける肌触りの良い縫いぐるみ、携帯しやすいキーホルダーなど。

繰り返し活用することで、「こうすれば落ち着ける」というおまじないのようなプラシーボ効果も期待できます。

プラシーボ効果とは

偽薬(本当は薬ではない成分)を投与したにも関わらず、症状が回復したり和らいだりする現象。 本来は医療用語だが、 今では日常生活においても使用されており、自分の思い込みが心身に良い影響を及ぼすことを指す。
「偽薬効果」「プラセボ効果」とも言われる。

  • 自分が落ち着けるルールを作る。
  • 安心できる場所、物、香り、触感などを利用する。
  • イライラの原因を取り除く。(感覚過敏など)
  • 紙に書き出すことで可視化し、気持ちを整理する。
  • イライラ度などを数値化し、客観的に測る。

こちらの写真では、お子さんが落ち着ける安心基地を作っているようです。

自分に合ったライフハックを見つける方法

自分の特性を知る

発達障害とは、脳機能の発達がアンバランスで、その凸凹によって社会生活に困難が生じる障害です。 行動や認知の特性により、主に自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3つに分類されます。

これら3つの特性を単独ではなく、複数持っている人も少なくありません。

また生まれつきの特性であるため、困りごとを自覚できていない場合もあります。まずは自分の特性を知ることが大切です。

自閉症スペクトラム障害(ASD)

周りの状況把握などを苦手とするため、経験から自然に学んでいくことができず、学ぶ内容にも偏りが見られます。曖昧なルールの理解も困難です。

そのため、午前中に数回会っているのに何度も「おはよう」と挨拶したり、「席は奥から詰めましょう」という指導に素直に従い、空いている電車でも奥の人の隣に座ってしまうことがあります。

一度決めたルールは守ることが得意なので、「どのような時に、どう対応するのか」具体的にマニュアル化すると、その場の状況に合わせた行動をする助けになります

注意欠陥多動性障害(ADHD)

衝動性のため、マナーやルール通りに行動できないことがあります。
挨拶もなく急に自分の用事を話し出したり、注意がそれて話や作業に集中できないことがあります。

集中できる環境づくりを作るとともに、活動のエネルギーを使える場も保障することが大切です

学習障害(LD)

「読む」「書く」「計算する」など、特定の分野の学習が困難になります。
「他のとこはできるのに、なぜ簡単な計算ができないのか?真面目にしているのか?」など、誤解を受けてしまうことがあります。

例えば「読む」ことが苦手な場合は、本を読む時は音声を利用するなど、得意なことを利用して生活上の不便を減らしていきましょう。

仕事では苦手なことを前もって伝えておき、ダブルチェックする方法などが有効です。

得意なことで苦手なことを補足しながら、無理のない範囲で苦手なことも練習していきましょう

他の人のライフハックを参考にアレンジする

自分に合わせたライフハックを考えるには、まず自分の特性を知り、他の人の工夫も参考にし、試行錯誤しながら「得意」を発揮できる環境を周囲の人と作っていくことが大切です

様々な人の具体例を知ることは、時には自分でも気づいていなかった「苦手」を認識できたり、工夫で乗り越えられる可能性を知ることができます。

ライフハックのアイデアは自分で考えるだけでは限界があると思いますので、まずは他の人がどのような工夫をしているか参考にしましょう。

最近ではTwitterなどでも、様々な具体例を見ることができます。
こちらの本は最近出版されたばかりですが、Twitterなどの情報を元に様々な人が実践されているライフハックを紹介されています。

これまでも1人の人が自分のライフハックを紹介したものは出版されていますが、このように多くの人のアイデアを持ち寄ってできたライフハック集も参考になると思われます。

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例えば、「片付けは完璧を目指さず、とりあえず一時置き場を作る」というライフハック。
その考え方を利用すると、他の場面でも応用することができます。

例えば、ADHDの特性がある人がプレゼンテーションの資料を作る場合。
頭の中の考えがまとまらず、資料作成のため調べていくうちに、違うことにまで興味がでてしまい、脱線することがあります。

そのような時は、「一時置き場」に後で調べたいことをメモして、本来の作業に戻ります。

また、資料作成する際も、資料の見出し「一時置き場」だけは作っておくことで、まとまらない考えの置き場所が決まり、整理しやすくなります。

周囲の理解と協力

周知されやすい工夫

ライフハックを有効活用するためには、周囲の人の協力が必要になる場合があります。

例えば、「聴覚過敏のため席を移動させてもらう、クールダウンのために離席する許可を得る、イヤーマフの使用の許可を得る」など。

またイヤーマフ使用中に、「なぜ仕事中に音楽を聴いているのか」など誤解を受けないためにも、周囲への説明が必要になる場合があります。

まだこのような障害が周知されていないため、その都度説明することは大変です。学校や職場など馴染みの集団の中では周知されていても、接客業などその都度対応する人が変わる場合は、更に説明が困難になります。

そのような場合は、ヘルプマークやステッカーを利用するなど、周知されやすい工夫を考えてみましょう
こちらの方はステッカーやヘルプマークを使用しており、仕事で接客する際もお客様の理解を促しているようです。

こちらの記事では、ヘルプマークの申請の仕方や使い方を記載していますので参考にしてください。

周知されにくい、さりげない協力

ライフハックを活用するために周囲の理解が必要な場合もありますが、逆に周囲に知られたくない場合もあります。

特に就学時期のお子さんは、「友達と同じことをしたい、特別扱いはされなくない」と感じていることがあります。
状況に合わせて、周囲に気づかれにくいさりげない協力を考えましょう。

例えば、スケジュールの把握や移動教室の把握が難しい場合、「分かりやすい時間割を掲示する、移動教室までの案内板を付ける」など。

そのお子さんだけの特別な対応ではなく、全体への対応の中で行うことで、さりげない協力をすることができます

こちらのTwitterでは、特別な場でなくても力を発揮できるチャンスが作れること、工夫ができることを伝えています。

まとめ

発達障害のある人は、他の人と同じようなことができずに自分を責めたり、自己肯定感が低くなることがあります。それらの経験が重なり、うつ病など二次障害に繋がることもあります。

「苦手」に対して無理にやり方を合わせるのではなく、自分の得意が活かせるように、小さな工夫で乗り越える方法を考えてみましょう。

自分に合わせたライフハックを考えるには、まず自分の特性を知り、試行錯誤しながら「得意」を発揮できる環境を周囲の人と作っていくことが大切です。

このように自分のオリジナルの対処法を考えることは、生きづらさとどう向き合うか、その向き合い方を考えるきっかけになるかもしれません。

横浜市都筑区児童発達支援と放課後等デイサービス 運動・学習療育アップ

児童発達支援と放課後デイサービス 運動・学習療育アップでは発達障害のある児童を対象に、デイサービス事業を行っています。

生活の中の困りごとについても、お子さんの特性を理解しながら、一緒に成長を促すお手伝いを考えていけたら幸いです。