皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害をヒミツにする意図」についてです。
目次
生きづらい現状
最近になってメディアにも取り上げられ、注目されてきた発達障害。この「発達障害」という名前を聞いたことはあっても、「どういう障害なのか」という詳しい内容までを知っている人は決して多くありません。
「障害」という名前のイメージだけで「偏見」を持ってしまう人も少なくないのです。
保育園・幼稚園に入れない
人口が密集する都市などでは「待機児童」の問題があります。
ただでさえ通える施設が見つからない状態なのに、「発達障害」が原因で入園を「拒否される」という場合があるのです。
発達障害を抱えていると分かるのは、早い場合「3歳児健診」や「団体行動」を求められる幼稚園、保育園の頃です。
成人後に診断されるという場合も少なくありません。
就職の影響も
「発達障害を抱えている」と採用を見送る企業も少なくありません。勿論、発達障害を抱えている人には「不向きの職業」も沢山あるでしょう。
発達障害の症状は、抱えている人によって様々です。ですので、企業が求める業務を行えるのか精査する必要があります。
下記のツイートをご覧下さい。
この様に、「発達障害」が原因となり、就職に苦労するという人も多いのです。
一緒がいい為の「嘘」・「ヒミツ」
上で触れてきた内容も含め「仲間外れにされたくない」などの理由から
- 他者から興味を引く為
- 見栄を張る為
- 入園・入学・企業からの内定をしやすくする為
発達障害である事を「ヒミツ」にするのではないでしょうか。
ヒミツにし続けるのは、大変つらい思いとなるでしょう…。
発達障害とは
発達障害は、生まれつき「脳の障害」によって成長の偏りが出来てしまうことで、生活に支障が生まれてしまうほどの障害の総称です。
大きく3つに分類されています。
- ASD:自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群
- ADHD:注意欠如・多動性障害
- LD:学習障害
発達障害の中には様々な障害が含まれ、症状は様々です。同じ障害を抱えている人でも、複数の障害を併存している場合、生活は更に困難となるでしょう。
発達障害を抱えている人は「1クラスに1人位」と言われています。ただ、発達障害グレーゾーンの人を含めれば更に増えていくでしょう。
発達障害と診断されるほど症状は重くないものの、「傾向がある」と診断されたことを言います。
極端な「偏り」
発達障害の影響で、「出来ること」「出来ないこと」に極端な差が出てくることがあります。下記は発達障害を抱えた人の特徴です。
- コミュニケーションが苦手
- 相手の気持ちを読み解くのが苦手
- 集団行動が苦手
- じっと同じ場所にいるのが苦手
- 我慢するのが苦手
- 言葉の読み書きが苦手
- 計算が苦手
健常の人でもあり得そうな内容が多いのですが、これを「障害」として抱えています。発達障害を抱えた人は
見えるモノや聞こえる音、触ったりした感触などから得る情報の処理が「曖昧」になっている為、上で紹介した様な苦手部分が出てきます。
健常の人より優れた部分も
成長に極端な「偏り」の為「苦手な部分」があるのを紹介してきましたが、逆に得意な部分もあることが分かっています。
好きな事に対する「集中力」は目を見張るモノがあります。また、ルーティーン化させることで、健常の人以上の成果を上げる人も少なくありません。
集中し過ぎる状態です。
集中出来ることは悪くありませんが、あまりに没頭する為、その他の仕事や食事などに手がつかなくなってしまいます。
見た目では判断が難しい
発達障害は「外傷」は無い為、パッと見ただけでは「障害を抱えている」と判断が出来ません。医療機関で詳しい検査、診断を行わないと、周囲は勿論、自分自身ですら「これが障害」と気がつかないのです。
発達障害は昔からある障害です。ですが、発達障害という「存在」が知られていなかった為、「強過ぎる個性を持った人」「変わった人」と「我慢」しながら生活していたことでしょう。
2000年以降、少しずつ環境が整ってきました。ですが、まだまだ足りていないというのが現状です。
ヒミツにしなくていい環境づくり
障害者差別解消法は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月に制定されました。
引用:内閣府
「障害者差別解消法」の施行により、「障害を抱えた人への差別を無くそう」という動きが出てきました。
少しずつではありますが、「障害を抱えた人に対する配慮」という環境が整ってきています。
1人で悩まないで
「障害を抱えている」「障害を抱えた子供を育てている」または「障害を抱えているかもしれない」と人によって事情は様々です。
障害を抱えている子供の育児は、健常児と同じ方法ではなかなか覚えてくれない場合があります。上でも触れていますが、得る情報の処理が曖昧な為です。
教え諭すことには、「根気さ」や「我慢」が必要となります。
気持ちに余裕が無ければ、ひとつひとつ丁寧に対応してゆくのも難しいでしょう。
保護者だって人間です。
感情がつい高ぶってしまう事もありますし、子供を心配するからこそ深く叱り、時には社会のルールを教える為にあえて厳しくしなければならない事もあります。
疲れてしまう事もあるでしょう。
そんな時はリラックスすることも大切です。保護者の方も、自分を褒める時間を作りましょう。
SNSの活用
疲れてしまったり、困ってしまったりした時は、周囲の助けを借りることも選択のひとつです。
身近に頼れる人がいない場合は、SNSやインターネットなどで同じ悩みを持つ仲間を探してみたり、地域の公共の窓口などで相談してみることをお勧めします。
地域によっては一時保育をしてくれる等、保護者の体と心を休めるサポートをしてくれる場合もあります。
(サポートの有無を含め、詳細は地域の公共機関のホームページや窓口でご確認下さい)
デイサービスの選択肢も
発達障害を抱えている育児の大変さは計り知れません。アップでは、障害を抱えた児童の「療育」併せて保護者の「休息」も大切と考え、横浜市でデイサービス事業を行っています。
まとめ
発達障害を公表してしまうことで、様々な「偏見」「待遇」が根強く残っています。その為「ヒミツ」にして自分に「嘘」をついてまで発達障害であることを隠している人も少なくありません。
環境は少しずつですが変わりかけています。
私達には発達障害の正しい「知識」「対応」を「共有」し、明るい未来への第一歩へ進む為「協力する心」が求められているのではないでしょうか。