皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害は治るのか?」についてです。
発達障害者支援法が改正された2016年。知的障害を伴わないASDやADHD、LDを抱えた人達が、支援の対象として含まれる様になりました。
これ以降、現在では発達障害という名前が世間に周知され、様々な支援体制が整ってきました。そして、医学の分野でも日々進化を続けています。
しかし、発達障害を抱えている人は多く、1クラスに1〜2人はいると言われています。決して少なくはありません。
今でも障害の影響により、様々なストレスや困難を抱えつつも、懸命に生活している人は多くいます。
では、発達障害は治るのでしょうか?
この記事で詳しく解説していきます。
目次
発達障害は治らない?
発達障害は、先天性の脳機能障害により、成長に極端な偏りが生じてしまうことで「生活に支障が生じてしまう障害」の総称を言います。
原因は「脳」にあるとは言われているものの、その根本的な治療法に関しては見つかっておらず、発達障害を治すということは出来ません。
つまり、「生まれつきによる障害は治療できない」ということです。
しかし、現在でも世界で発達障害に関する研究が続けられています。
発達障害はいつわかる?
生まれつきの障害と言われていますが、0歳や言葉を発する様になる年齢では診断が難しい障害です。
発達障害を抱えていると分かるのは、早くて3歳児健診と言われています。この年齢になると、保育園など多人数の社会に身を置く機会が増えていくからです。
発達障害を抱えている子供は、コミュニケーションが苦手であったり、相手の意図を読み取れなかったりということから、苦手部分が表面化されていきます。
家では大人しい子供が、保育園では大暴れという場合も。
障害を抱えた子供が、3歳頃には必ず分かるとは限りません。成人してから発達障害を抱えていると分かったというケースも多くあります。
治らないが改善は見込める?
発達障害の根本的な治療法は見つかっていません。しかし、発達障害の症状をお薬の効果で低減したり、社会の適応能力を身につけたりすることで、症状の改善が見込める場合はあります。
つまり、発達障害そのものを治すことはできませんが、生活面での困難を今より改善できる見込みはあるのです。それには、障害を抱えた子供に適した治療が必要となります。
主な発達障害:症状は人それぞれ
発達障害の症状は、人それぞれです。発達障害は大きく「ASD」「ADHD」「LD」の3つに分類されますが、ASDだけを抱えている子供がいれば、ADHDとLDを併存している子供もいます。
障害を抱えた子供それぞれに適した治療法が求められるのです。
- ASD:自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群
コミュニケーションが苦手、強すぎる拘りがあるなど
- ADHD:注意欠陥・多動性障害
注意散漫な態度、我慢することが苦手、忘れ物が多い特徴など
- LD:学習障害
学習面に困難な障害。文字や文章が正しく見えていない など
発達障害の治療:お薬による方法
発達障害を抱えてしまうことで、日常生活において様々なストレスを抱えてしまいます。
精神的にも大きな負担となるので、鬱や引き篭りなどの精神障害(2次障害)を併発してしまう人は珍しくありません。
これに対して、抗うつ薬や精神安定剤の処方が多くあります。
一方、ADHDの場合、明確な根拠は分かっていませんが、神経伝達物質であるドーパミンの低下により、多動性などの症状が現れてしまうと言われています。
なので、ADHDを抱えた患者には、ストラテラやコンサータなどの処方が主です。
お薬の処方に関しては、担当医の指示に従いましょう。
発達障害の治療:SST
SSTとはソーシャススキルトレーニングの英語略で、社会に必要な適応能力を身につける為のトレーニングを意味します。
発達障害の影響により、脳の成長に極端な偏りが表れてしまいます。定型発達児に比べて、出来ないことが多いのです。
また、コミュニケーションにおいても発達障害の影響は現れます。相手と会話をしていても話が噛み合わず、言葉のキャッチボールが上手くできません。
さらに、強い拘りから自分の好きな手順や物、場所に他人が入ることを嫌う場合もあります。
この為、口論や喧嘩になる可能性もあるでしょう。
なので、保育の現場でも一人別行動で遊んでいることも珍しくありません。
SSTを取り組むことで、コミュニケーションの練習になり、適応能力を鍛えていくのです。
発達障害の治療:作業療法による治療
障害を抱えている子供は、それぞれの力加減が分かりません。
鉛筆をどの位の力加減で持ち、どの位の筆圧で書けば正しいのか分からないのです。
作業療法とは、「障害を抱えた子供に対し、苦手とする部分を克服していく治療法」のことです。
国家資格者でもある作業療法士(OT)が子供を診断し、その子供の苦手となる部分を克服する為の治療を行います。
と言っても難しい治療法は行いません。対象は子供なので、「遊び」から様々な刺激を脳に与え、苦手部分を克服していく治療法です。
子供は楽しく治療法に取り組めるので、自ずと苦手を克服することに繋がります。
周囲の協力は不可欠
発達障害の治療は、いかに苦手部分を知り、早期治療に取り組むことで適応能力を身につけられるか?で変わってきます。
それには家族、そして周囲に発達障害の知識や対応法を共有し、生活の環境を整えていくことが大切となるでしょう。
しかし、発達障害を抱えている子供の育児は、決して簡単ではありません。当事者は勿論ですが、その兄弟や保護者の負担は大きくなるでしょう。
- 発達障害情報・支援センター
- 子育て支援センター
- 児童相談所
- 市区町村保健センター
発達障害に関する相談は、様々な場所で受け付けています。発達障害の悩みを一人で抱え込むことはありません。
支援機関を活用し、今後の対応法などを相談していきましょう。
まとめ
発達障害は先天性(生まれつき)の脳機能に障害があることが原因と言われていますが、根本的な治療法は見つかっていません。
しかし、障害の抱えた子供の苦手となる部分を把握し、早期から治療に取り組むことで、生活面でのストレスを改善させる見込みはあります。
発達障害を抱えつつも、社会で活躍している人は多くいます。
今できることを見つけ、取り組んでいきましょう。
また、子育てに向けてのお役立ち情報では、この記事でも紹介している様々な情報記事を公開しています。ぜひ参考にご覧下さい。