皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害メモの取り方」についてです。

発達障害のある人は、メモの取り方があまり上手くなかったり、活用できていない様子が見られませんか?

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青木
メモが取れていなかったり、どこにメモしたか分からなくなったり。
後で見たら、意味が分からないこともありますね。
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大竹
上手くメモが取れ、上手くメモが使える。
そんな方法を知りたいですね。

今回は発達障害の方の、メモの取り方の問題・原因と、効果的なメモの取り方についてお話します。

発達障害が上手くメモを活用できない原因は?

役に立つメモとは

突然ですが、どんな時にメモを取ろうとしますか?

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青木
大事なこと、憶えておきたいこと、後で確認したいこと、人に伝えたいこと。
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大竹
メモを取る時は、メモして終わりではなく、「後で見返して役立てること」を前提にしていますよね。

メモは、後で見返して役に立ってこそ、意味があります。

しかし、発達障害のある人は「後で見返したら意味が分からない。メモを紛失した。」など、メモを取っても活用できずに終わってしまうことが多いようです。

メモを活用するには、大きく分けて「①メモを取る段階」と「➁メモを活用する段階」の2つに分かれますが、発達障害では「➀メモを取る段階」から問題がある場合が多いようです。

今回は、➀のメモの取り方に絞ってお話していきます。

メモの取り方の具体例をお話する前に、発達障害ではどのようなメモの取り方の問題があるのか見ていきましょう。

発達障害のメモの取り方

発達障害に特有のメモの取り方に関する困り事や、その原因をまとめました。

発達障害とは

発達障害とは、脳機能の発達がアンバランスで、その凸凹によって社会生活に困難が生じる障害の総称。行動や認知の特性により、主に自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3つに分類される。
これら3つの特性を単独ではなく、複数持っている人も少なくない。

ASDの場合

特性

  • こだわりが強い。
  • 先の見通しが立たないと不安。
  • 曖昧な表現では理解できない。
  • 人の目を見て会話しない。コミュニケーションが不得意。

◆長々と説明されると何をメモすべきか分からなくなる

話が長くなると、「そこから要点を絞ってメモをする」ということは苦手なので、上手くメモを取れなくなります。

◆言葉の表面的な意味しか受け取れないことがある

コミュニケーションが不得意で、人の話の裏にある真意を読み取ることが苦手です。

その人が言った言葉をそのままメモしても、真意が分からない場合があります。

また伝言メモの場合は、「メモを受け取る人が必要とする情報」もその場で聞き出す必要がありますが、「聞くべきことも聞いておらず、伝言メモの役割を果たせない」ということがあります。

例)課長の外回り中に、田中さんから電話があった場合。
✖「田中さんから課長に電話がありました。」
○「田中さんから課長に○○の件で電話あり。急ぎではないので、17時ごろ掛け直すとのこと。」

◆メモを取るべきか状況判断できない

場の流れを読むことが苦手なので、「重要なことなのか、メモを取るべきことなのか」など、状況判断できないことがあります。

ADHDの場合

特性

  • 集中力に波がある。
  • 衝動的に行動してしまうことがある。
  • 注意が逸れやすい。
  • 整理整頓が苦手。

◆メモをしても、どこに書いたか忘れてしまう

整理整頓が苦手で、忘れ物や紛失も多いことがあります。
紙の切れ端などにメモを書いてしまうと、なかなか見つからなくなります。

◆興味やアイデアが次々と移り変わり、メモが追いつかない

興味や関心が移りやすく、アイデアも次々と浮かぶことがあります。

1つのことをメモしていても、メモしながら次の思考が浮かんでくるので、メモが追いつかず、まとまりのない文章になります

◆後でメモを見ると、意味が分からない

上記のように、次々と思考が移り変わるので、後で見返してみると内容が分からないことがあります。

LDの場合

特性

  • 「読む・聞く・書く・計算する」など、特定の分野の学習が困難。

◆メモを取る段階で躓く

通常、メモを取る場面では、「人の話を聞きながら、メモを取る」という状況が多いと思います。
また、何か記事を見ながらメモをする場合もあると思います。

「聞く・読む・書く」などが困難な場合、通常のメモの取り方では対応できない場合があります。

◆メモを活用する段階で躓く

「読むこと」に困難がある場合、メモを上手く活用することができません。

伝言メモなども、その効果が発揮できなくなります。

感覚に問題がある場合

発達障害では、感覚の受け取り方にも特徴が見られることがあります。

例えば、通常は喫茶店などざわついた環境の中でも、会話をしている相手の話を選択的に集中して受け取れる。(聴覚における感覚統合)

また視覚においても、「明るさ」などに順応して、あまり眩しく感じることなく、「見る」ことができる。(視覚における感覚統合)

このような感覚統合ができていないと、音や光などの刺激に順応できず、「視覚過敏」「聴覚過敏」など、通常の刺激でも強く不快に感じてしまうことがあります。

感覚統合とは

五感(味覚・嗅覚・視覚・聴覚・触覚)に加え、固有感覚(身体に対する意識の知覚)・前庭感覚(身体の傾きやスピード、回転の知覚)を含めた7つの感覚を環境に合わせて受け取る調整ができる能力。
通常は発達とともに統合され、無意識に環境へ適応できるようになる。

◆「聞く」「見る」の段階で躓く

感覚統合に問題があり、「人の話を選択的に集中して聞く」ということが難しい場合、周りの雑音などが邪魔になり、相手の話を充分に聞き取れません

また視覚過敏や聴覚過敏などがあっても、「聞く」「見る」の段階で躓きます。

メモを活用する段階の問題

今回は「メモを取る段階」に絞ってお話しますが、「メモを活用する段階」についても少しだけ触れておきます。

「メモを取ったが、何から手を付けて良いか分からない」ということもあります。
メモを活用するには、優先順序を付けることも大切です。

優先順位の付け方については、こちらの記事も参考にしてください。
発達障害におけるメモの効果やメモを無くさない対策、周囲の人ができる配慮なども書かれています。

発達障害に効果的なメモの取り方

では、発達障害でも効果的にメモを取れる方法を見ていきましょう。

他人に説明するつもりで書く

自分だけで使うメモであっても、後になって見返してみたら詳細を忘れてしまい、自分でも何を書いたのか分からなくなることがあります。

後で見返しても意味が分かるように、はじめから他人に説明するつもりでメモを取りましょう

きれいな文章で書こうとしない

「人に説明するつもりで」とお話しましたが、きれいな文章にまとめる必要はありません。
文章できちんと書こうとすると、時間がかかってしまいます。

要点だけ抑えれば、「は」「の」なのど助詞は省略しても構いません。
第三者が見ても分かる範囲で、省略しましょう

例)
✖:遠足は、おやつ300円分まで持って行って良い。
○:遠足 おやつ ~300円

5W1Hを意識して書く

5W1Hとは、以下の6つを指し示す言葉です。

Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(何を)、
Why(なぜ)、How(どのように)

6つ全てを書く必要はありませんが、必要な情報が抜けないよう、5w6Hを意識しておきましょう。
しかし、この「意識しておく」ことが難しいのも発達障害の特性です。

あとで「伝言メモ」のところでも書いていますが、あらかじめ書式を決めて、枠を決めておくと、書きもらし防止になります

期限を書く

いつまでにやるべきことか、期限も書きましょう。

ADLDは先延ばしにしやすい傾向があるので、「リマインダー」ともセットで期限を管理することも試してみましょう。

こちらの「リマインくん」は、LINEの友達追加をすることで利用できます。「何を、いつ知らせてほしいか」伝えておくと、その日時に知らせてくれます。

登録はこちらから。

出典:リマインくん

無理に漢字や横文字を使わない

漢字を正確に書こうとしたり、慣れない横文字(カタカナの外来語)を書こうとすると、時間がかかってしまいます。

そのようなことに拘ると、大事なことを聞きもらしたり、メモが追いつかなくなってしまいます。

平仮名で書いたり、図やイラストも利用するなど、自分が書きやすい方法を選択しましょう

「後で読み返した時に、自分が理解できる」という目的が達成できたら、正確に書くことに拘らなくても大丈夫です。

メモするノートは一冊に決め持ち歩く

あちこちにメモをして、どこにメモをしたか分からなくなることがあります。

特に紙の切れ端などに書いたら、紛失したり捨ててしまい、2度と見返すことはないかもしれません。

メモするノートは1冊に決め、普段から持ち歩きましょう

持ち歩ける小さめのノートとペンは、セットで持ち歩きましょう。

色ペンは使っても数色

色にこだわりすぎると、メモが追いつかなくなります。
ペンを持ち変えるだけでも、時間を無駄にしてしまいます。

「赤は緊急」「青は学校関係のこと」など、自分でルールを決めておきましょう。

「文字は黒で書いて、後から色ペンで印を付ける」など、あまりペンを持ち変えない方が効率的です

「重要なことろは★印を付ける」など、色ペンを使わない方法もオススメです。

伝言メモの場合は書式を決めておく

本当に役立つ伝言メモを書くことは、発達障害にとって大変難しいことです。

何故なら、「伝言メモを受け取る相手」が知りたい情報を推測し、それを相手から聞き出しながらメモをする必要があるためです。

この「推測すること」「必要な項目をもれなく記入すること」は、発達障害にとって難しいことです。

このような場合は、あらかじめ伝言メモの書式を決めておきましょう

ASDはルールを明確にすると作業しやすくなります。
ADHDの場合も、どこに何を書けば良いか枠組みがあった方が、情報があちこちに散らばらず、まとまりのあるメモが書けます。


こちらの本は、ノートや手帳の使い方の実例が書かれています。
「コピーして使えるメモフォーマット集」では、「会議用、手帳用」など、いろいろなメモの書式が紹介されています。

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「紙にメモする」以外の方法を選択する

「聞く・書く・読む」どれか一つでも支障があると、メモが書けなかったり、書いてあるメモを活用できないことがあります。

通常、「メモを取る」と言うと、ノートなどの紙に文字を書くことを連想しますが、違う方法も考えてみましょう。

◆ボイスメモや音声入力を利用する

最近のスマートフォンは、はじめから「ボイスメモ」アプリが入っていることが多いようです。

また、通常の文字を打ち込む画面においても「音声入力」を利用できます。

Siriなどで「メモして」「録音して」などと話しかけるだけで、アプリを起動することもでき、メールなどで共有することもできます。

こちらのアプリは、ボイスメモを残すことはもちろん、再生スピードの変更や他のアプリとの連携も可能です。

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◆パソコンやスマートフォンでメモを取る

紙に文字を書くことが苦手でも、パソコンやスマートフォンで文字を入力することが可能な場合もあります。

通常、人の話を聞く時にスマートフォンなどの画面を見ているとあまり良い印象は持たれないため、周囲の人に説明する必要があります。

学校や職場など長い期間関わるグループにおいては、少なからずカミングアウトすることになります。

「その場で一度だけ関わる人」など、状況によっては必ずしもカミングアウトする必要が無い場合もあります。

状況によっては「ペーパーレスで、できるだけアプリにメモしている」「アプリでタスク管理している」「書くよりパソコンに打ち込む方が得意なので」など、決まり文句を利用しましょう。

周囲の人ができること

周りの人が少し配慮するだけで、発達障害の苦手が軽減され、「強み」が活かされることもあります。

メモの取り方に関することで、周囲ができる対策をお話します。

合理的配慮

教育の現場では「合理的配慮」という考え方が導入されています。

合理的配慮とは

障害の有無に関わらず、平等に人権を享受し行使できるよう、各々の場面で生じる障害をを取り除くため、個別の調整や変更をすること。

例えば、通常の学校授業では、「板書や連絡事項も自分でノート等に書く」ということが当たり前になっていますが、「聞くこと・書くこと」などが困難な場合は大きなハンデ(不利)になってしまいます。

また、ざわついた中では選択的に話を聞くことが難しい場合もあります。

以下のように、周囲ができる協力も考えてみましょう。

  • 大事な連絡事項は、板書や話すだけでなく、プリントを作成して配布する。
  • 「書くこと」などに困難がある場合、「パソコン入力・写真・録音」を許可する。
  • 曖昧な表現を避け、短く明確に伝える。
  • 「ここはメモして下さい」など、メモする必要があることを明確に伝える。
  • 紹介した「伝言メモの書式」のように、あらかじめ必要な項目を書いた用紙を準備する。
  • 音や光などの刺激に配慮し、席替えやパーテーションで区切るなど、環境調整する。

まとめ

今回は発達障害のメモの取り方についてお話しました。

発達障害はメモを取ったり活用することが苦手な様子が見られますが、書式を用意するなど少し工夫するだけで格段にメモを上手く取れる場合があります。

メモを活用することで、「忘れ物が多い」など発達障害の様々な困り事を軽減できるかもしれません。

周囲の理解も得ながら、特性に合ったメモの取り方を試してみましょう。

横浜市都筑区児童発達支援と放課後等デイサービス 運動・学習療育アップ

児童発達支援と放課後デイサービス 運動・学習療育アップでは発達障害のある児童を対象に、デイサービス事業を行っています。

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